2021-01-01から1年間の記事一覧
はじめに 探していたのだ。目が不自由な方の句集を。 俳句はあまりに視覚偏重にすぎないか、というのがその動機だ。 もしかしたら、言葉(名前)そのものが、視覚的なのかもしれない。声字と書字という観点(という熟語もまた視覚偏重なのだが)から、そう考…
はじめに 買ってあるのにまだ読んでない本を積読と呼ぶが、「読みたいと思うがまだ読んでいない本のリスト」も積読なのではないかと思う。新刊ばかりではなく、むしろ古書店や図書館に軸足を置いて「読みたい」本をリストにする。その際に目安になるのは、や…
はじめに 俳句の新しさとは、たとえばこういった俳句に驚くところに感じる 口淫は嘔吐に終はる麦茶かな 星野いのり 起立礼着席青葉風過ぎた 神野紗希 ヒアシンスしあわせがどうしても要る 福田若之 簡単に口説ける共同募金の子 北大路翼 パラフィン紙夏の名…
今回のブログはドラマ『ブラックリスト 8』の最終回ネタバレを含みます。ご承知おき下さい。 はじめに ブラックリストというドラマをCSで見ていて、先日、シーズン8の最終回前と最終回を続けて見終えたところだ。 このドラマは当初、ユニークな犯罪者と組織…
はじめに 英国式庭園殺人事件(グリーナウェイ監督)では、庭園を写生する絵師が写生機械と化して写生に没頭するあまり、自らが殺人事件の目撃者となっていることにその時は気付かぬまま、その克明な記録を残していたという、重要な要素があったと記憶してい…
卒業までの、そして卒業後の活動を応援し、追いかけていきたいと思います。 雑誌でも書籍でも映像でもラジオでも配信でも音源でも、演出や作詞作曲活動でも、今後もずっと目が離せないです。楽しみです。 以下はメンバーの皆様のブログの抜粋転載です。 モー…
はじめに 現代短歌の鑑賞101はひじょうに読み応えのあるアーカイブである。 www.shinshokan.co.jp明治三十六年生の前川佐美雄さんの「胸のうちいちど空にしてあの青き水仙の葉をつめこみてみたし」から、昭和四十五年生の梅内美華子さんの「蜜蜂が君の肉…
さらに圧縮して記す 22 前衛と伝統 キリスト教は人間の生きざまを非常にこまやかに、ないしは微妙に、一貫して教えておるように思う。ところが、仏教のほうはというと、生きざまというより死にざまにほうにとりわけ重点を置いておる。 指先の草の匂ひが取…
はじめに 二回目があるとは思っていなかった「ソロフェス!2」 www.youtube.com 一度目は悲劇。二度目は喜劇といいますが、一回目があったからこそ二回目は、より楽しみでした。かくし芸上等、リベンジ上等。挑戦、深化、イメージチェンジ、なんでもOKな…
前回からの続き。もっと圧縮しないと終わらないと気付く。 7 独自性と完成度 オリジナリティーはその作品の意匠ではないということを念頭におくことが肝要であり、完成度の高い作品ほど、その底に流れるオリジナルな味わいは強いのだと思う。 冬の滝ひびき…
はじめに 読書が捗らない。思うことは多々あれど、読書経験という裏打ちがなければペラペラなブログでしかない。読んでから、書く。の読むができないから書く。も出来ない。そんなときのための「ざっくりさん」であり「メモ」である。だがしかし、書かないと…
第三 デーヴァダッタは何故に出家を許されたか? ミリンダ王(以下ミ):デーヴァダッタ(以下デーヴ)は誰に影響されて出家したんだっけ?ナーガセーナ(以下ナ):バッディヤ、アヌルッダ、アーナンダ、バグ、キンピラ、デーヴ、そして七人目に床屋のウパ…
最近思うのは、 アイドルは作詞作曲をしないで、提供された楽曲をプロデューサーやディレクターの要求するクオリティーで歌い、踊ることを求められるのだな、ということだ。 だから、卒業や解散にあたって歌われる歌に彼女達の心情は反映していない、重なっ…
youshorinshop.com はじめに 風物から人物。静物から印象。詩から事実。 松本てふこさんの『汗の果実』という句集には、章立てのようなものがあり、順番に「皮」「種」「汗」「蔕(へた)」となっており、「ブドウ狩り」かしら、などと思うのはこのように書…
前回ブログの続きです。 はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林…
はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ ;の…
なぜかLinuxをさわりたくなった。それは、Vine Linuxが開発終了したという知らせを一か月遅れで目にしたためだったかもしれない。 forest.watch.impress.co.jp 『日系リナックス』という雑誌の付録についていたVine Linuxで、CUIの面倒くささと、楽しさを知…
第二 ブッダは全知者である ミリンダ王(以下ミ):ナーちゃん(ナーガセーナ)。ブッダは全知者なの? ナーガセーナ(以下ナ):そう。でも知識として知ってるんじゃないよ。知ろうとしたことをみんな知るんだよ。 ミ:知ろうとして知るのなら、全知者じゃ…
はじめに 旧約聖書の「コヘレトの言葉」は名言の宝庫だと聞いた。だが、旧約聖書にそんな「書」があったろうかと検索してみると、かつては「伝道の書」と題されていたものだと分かった。なぜ、名前が変わったのかについてもWikipedeiaに詳しい。 ja.wikipedi…
はじめに 聖書の話を聴く機会が増えた。 今朝は「ルカによる福音書 第二十四章三十節ー三十一節」いわゆる、「エマオでのこと」の話だった。 少し前に、イエス=キリストの復活について書いたとき、この箇所に触れていただろうか。 mochizuki.hatenablog.jp …
はじめに 初めて『1/2』のPVをワイドショーで見て www.youtube.com すぐに買いに走った。 川本真琴 1997・6・25 デビューアルバム「川本真琴」 www.sonymusic.co.jp 天才だ。と思った。 そしてこの人は早世なさってしまうのではないかと危ぶんだ。今…
はじめに 詩について語ることはできない。 詩を理解することができない。わたしは詩を散文のように咀嚼してしまうので。 寺山修司さんが好きだ。『戦後詩』は塚本邦雄さんの短歌を漁っていて見つけた本だ。 前衛短歌。寺山修司さんには、少女詩集もあり、詩…
はじめに 肉体に関わる際、避けて取れないテクストは、『聖書』のイエス=キリストの受難と復活とその後日譚で、特に、ヨハネによる福音書に詳しい。 というより、「ノリ・メ・タンゲレ」は、ヨハネによる福音書にしか記載されていない。 マタイ・マルコ・ル…
はじめに モーリス・ベジャールさんだ。 www.shinshokan.co.jp 舞踊、武道、音楽、体操(スポーツ)に関する達人の方々の言葉はとても重要だ。なぜならば、そういう方々は身体を熟知しようとする方々だからだ。 私たちは身体として存在している。この存在の…
はじめに 広義における身体による芸術表現を考えるとき、必ず引き合いに出されるのがヴァレリーさんだ。そこで、タイトルの本を借りて読み始めている。 bookclub.kodansha.co.jp 伊東亜紗さんは、『どもる体』も書いており、他にも、私にとって当面、重要な…
はじめに www.msz.co.jp 捨てられない絵葉書のような、密やかなイメージを撮りつづけた写真家ルイジ・ギッリ(1943-1992)。その何気ない一枚の背後には、イメージに捉われ、イメージを通して思考する理論家ギッリがいる。自らの撮影技術を丁寧に示しながら…
はじめに 俳句は悩まない。短歌は悩む。小説は悩むのが楽しいが、短歌で悩むことは苦しい。 だから、さまざまな入門書を読むのだが、結局のところ「なぜ短歌にするのか」という根源的な問いへの答えなど、あるはずはない。 苦しければあきらめればいい。 だ…
(前回の続き) 『アドルノ 新音楽の哲学』より 音楽は仮象の欠如、すなわち形象をつくらないことによって他の芸術に対して特権をあたえられてはいるが、しかしその特殊な関心事と因襲による支配との倦まざる和解によって、力相応に、市民的芸術作品の仮象的…
はじめに 抜書しながら本を読む。その場で抜書できなけば付箋を挟んでおいて、あとで抜書する。手帳の抜書は後にノートへまとめて書き写すのだが、ノートに書き写すタイミングを逃している抜書が手帳に溜まってきている。自筆の手書きは時ともに判読不能にな…
はじめに 前回も引いた以下のサイト。 weekly-haiku.blogspot.com ここに、とても興味深い「俳論」が引用されている。今回のブログはこの論について思ったことを記していく。 1.新しい回路基板の実装 俳句を作る、一句を成就するということは、言葉、言語…