望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

梵鐘一打 ―セレクション俳人07 岸本尚毅集(邑書林 2003.6.10) その2

はじめに 前に、「季語を殺す」という観点で、本書巻末の散文の一つをまとめた。 mochizuki.hatenablog.jp 今回はその次に掲載してあった散文のまとめ。 俳句の中の俳諧 この散文の初出は「國文学(2001.7)」とのことで、テーマは「何をもって俳句は…

タテモトマサコは日記を書くか ―世にも奇妙な物語’20秋の特別編「タテモトマサコ」より

以下のブログは、タイトルの作品のネタバレを含みます。 はじめに 世にも奇妙な物語’20 秋の特別編 2020年11月14日(土)放送「タテモトマサコ」 タテモトマサコ 〈脚本〉山岡潤平 シナリオ作家協会主催のシナリオ講座を受講したのち、『世にも奇妙な物語 …

季題を殺す方法が写生だ ―岸本尚毅集より

はじめに セレクション俳人07 岸本尚毅集(邑書林 2003.6.10)を読み、季重なりの多さに吃驚した。だがこれはもちろん意図的だ。 巻末の「散文」の中の「写生と季語のダイナミズム」を読んでいて、季題をどのように考えているかを知った。 今回は…

俳句にとって誠実さとは何か ――プレバト20201105 村上さんの句より

はじめに プレバト 2020年11月5日放送分で、村上さんの 秋麗チョコスプレーの淡き影 の、「の」が「に」に添削された。 村上さんは、添削後の俳句の良さは認めたようだったが、「それでも僕の着地点は「の」だったんですよ」と言った。 僕は「の」が…

短歌の作り方、教えてください ―抜書き帳

はじめに www.kadokawa.co.jp 短歌の作り方、という本は、俳句に比べると、あまり読んでいなかった。短歌はどこか、好き勝手作りたい、という思いが強かったせいだ。それでも、手前勝手に作っていると、やはり疑問が湧く。技術的欠点に気づく素地がないため…