望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

日記

Note of the note ―ノートの調べ  p.4 書かされる「日記」に関する一考察

はじめに 「Note of the note -ノートの調べ」 と題した不定期シリーズ。このシリーズでは、著名人のノート、手稿、手帳、日記などを紹介し、そこに込められた作法と思いを検証していく。第四回目は 非常に興味深い本を読んだので、その一部をご紹介しつつ…

Note of the note ―ノートの調べ p.3 南方熊楠さんの縁起するノート

はじめに 南方熊楠について語ることは、つねに多くの事を語り落とすこと、に他ならない。だが、彼の「知性」は「粘度をもつ全体性」としてあり、微細なことについても、広大なことについても、その「全体」が密接な連関をもって蠢くことによって、最適解を構…

エクリチュールとパロールとローマ字日記

はじめに Hareta Sora ni susamajii Oto wo tatete, hagesii Nishi-Kaze ga huki areta. から始まる石川啄木さんの『ローマ字日記』を借りてきた。 ローマ字で書かれてあるのだから、ローマ字で読むべきであろうと、ローマ字で読んでいる。読み進めるうちに…

『人はなぜ日記を書くか』の私的かつ暫定的回答、そして有効な活用法

はじめに 日記という事件 本書にこのタイトルの答えを求めてはならない。なぜなら本書では「日記」ありきの論考しか行われないからだ。そのような姿勢で「日記」を扱うのなら、「日記」を解体するところまでいかねばおもしろくないのだが、本書において「日…