望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自由律俳句の歩き方 ―十重唯識と花鳥諷詠

はじめに 自由律俳句は、作るのに資格がいると思う。 その資格がない人間が作ったものは、単なる短文であり、珍文奇文だ。もちろん、それらの中には、一言ネタとしてはおもしろいものも多いし、「すごい」と思うものも少なくはない。私は、この「すごい」と…

私的華厳 1 物・事・理・法

物・事・理・法 物は時間的で理に依拠して変化する。事は空間的で法に依拠して移動する。 物は事の経時的顕れであり事は物の共時的実相である。 物には境界があり事には流動がある。 理は物によってのみ部分的に顕れ法は事によってのみ部分的に顕れる。 全て…

gut feeling ――『感情とはそもそも何なのか』メモ

はじめに 可能な限り「唯物論」で推していきたい身としては「感情」のメカニズムを勉強することは不可欠だと思っている。 本書『感情とはそもそも何なのか ―現代科学で読み解く感情のしくみと障害』(乾敏郎 ミネルヴァ書房 2018.9.30)は、その意味でとても…

ボトルメールとしての表現 ――誤配されるテキストは感情的に処理され新たなテキストを生む

はじめに ある表現者の表現をテクストとして扱うことは鑑賞者の特権であり、限界でもある。なぜなら、表現者と鑑賞者との間の隔たりは決して埋めることができず、他者と自己とは決して、同一化されないからだ。また、同様に表現者と表現との間にも隔たりは存…