はじめに
PoIC(Pail of Index Card)を知ったのはずいぶん前だ。
小説を書く上でおもしろそうなことならば何でも記録していた時期で、その断片の整理方法が必要だったことと、着想を記録するフォーマットを求め、「情報収集」「アイデア整理」「発想法」「索引」などで検索しては、〇〇式だったり、〇〇法について調べ、いくつかの方法を実践していたが、それが"Hipster PDA"と"PoIC"だった。
小さな手帳に、ダウンロードしてコピーしたリフィル。そして情報カード。とにかくメモ・メモ・メモの日々は5年ほど続いた。
だが、その過程で私は自分の性癖を突き付けられることになった。
それは収集癖だ。
つまり、カードやリフィルを埋めることが目的となり、その情報の活用(タスクフォース)が全く行われなくなっていたことだ。こうして情報は死蔵されたまま、陳腐化していったのである。
今は未来。
当時のガラケーなどとは比べ物にならないほどの性能を有するスマホをみて、そういえばと、PoICに活用できそうなアプリができているのではないかと検索してみたのだが、案外ない。
かといって、ひたすら紙と空間を消費するアナログ式に再挑戦するというのも萎える。
そこで今手元にあるレガシーともいえる機器を用いて、アナログとスマホの間あたりで遊んでみるのも面白かろうというのが今回のブログの趣旨である。
基本的には昔採用していた方式のブラッシュアップになる予定。
それにしても、あれから11年前ということで驚いた。
現在の状況
ともかく、なぜ今、再びのPoICなのか?
それは本人にも不明だが、その背景には、十分に活用できないまま眠っているさまざまな機器の恨みがある、としか思えない。
まさに、11年前に列記した危機は、いまだに使用可能なのだ。だが、用途がない……
tabletは、OSが古くなりすぎて、はじかれるHPも多くインストール可能なアプリもほぼない。だが、すでにインストールされているアプリはキビキビ動く。
"zaurus"についても当時必要なソフトはインストール済み。動作確認がとれている無線LANカードが10年前くらいにほぼ生産終了品となっているあたりは、なんとなく、その界隈の記事を探しつつも、ローカル用途専用にすれば問題はない。
"Let's Note"のリナックスもブラウザ問題があるが、最も重要と考えている"hown"はもちろん稼働している。適材適所で用いれば、それぞれが活躍できる分野を見出せるはずだ。
スマホアプリでは?
とはいえ、この度PoIC再始動を模索するにあたり、まずスマホアプリを検索してみた。
つねに携帯しており、一元管理できる利点は揺るがないからだ。
しかし、そのためのアプリ(無料のみ。有料のものは検索していない)を見つけることができなかった。
だが、その用途に適していそうなアプリは一個見つけることができた。
play.google.com
これは、実際にインストールして使用してみた。
特に、カードに相当する「リスト」入力の際にあらかじめ「カテゴリー」を用意でき、その「カテゴリー」別の集計などが常に自動で行われているので、PoICにおける「記録」「発送」「参照」「GTD」をカテゴリー登録しておくことで、ひじょうにスムーズであるともに、必須のタイムスタンプも記録できる。当初は、これで決まりかと思われたのだが、気にかかる点があった。
それは、このアプリの用途が「タスク管理」である点だ。
タスクとは、大まかにいえば、締め切り日時までに完了することだ。したがって、このアプリはタスク完了を促すリマインダーが備わっており、タイムスタンプとして利用する仕組みが、タスク完了日時になる。
つまり、このアプリでPoICを実施すると、未完了タスクが大量に積み残されることになるのだ。
もちろん、それを気にせず使い続けることはできるのだろうが、わたしはアプリ本来の働きを完全無視することができなかった。
Tabletのぺんメモ
次に、Tabletを活用する術はないかと、インストール済みのソフトを眺めていると
「ペンメモ」というものがあった。
これは、有望である。
PoICでは、手書きの図を使用することが推奨されている。
「ペンメモ」は、指または対応するペンで手書きを残すことが可能である。
見た目もカード式なので、「PoICマーク」「タイトル」などを規定通り記載(PoICマークは名前で代用する)できる。
またメモの下にはタイムスタンプも残されるし、サムネールの状態ですらすらと閲覧することも簡単だ。
こうして書いていても、全くPoICライクな運用ができる気がする。
zaurusのEBT lite
zaurusで最も重要なソフトは「EBT lite」だと思う。(異論は認める)
このソフトは2023年現在、windows版も公開されている。
このアプリから、知識とはリンクである。という思想を納得させられ、松岡正剛さんの千夜千冊を思い起こして、さらに深く感得したりした次第。
このソフトをPoICライクに用いる利点は、
画像を取り込めること、
zaurusuは手書きメモを作るソフトがあるのでそれを取り込むこともできること、
タイムスタンプは自動で入ること。
作成したメモをどのメモにぶら下げるかを決めておけば、時系列貫通式を保持することができること。
それらを手軽に閲覧していくことが可能であること。
そこにプラスアルファで、強力な相互参照機能が備わっている。
そして、携帯性。
tabletよりも小さく、相互参照機能があるという点から、というより、わたしはこのソフトが好きなのだ、
ということから、PoICライク再運用はzaurusで、と決定した。
懸念
一つ懸念があるとすれば、このzaurusがいつまでもつか、という点である。だが、これは電子機器を用いる際の永遠のテーマだ。
データを汎用度の高い形でバックアップしておく(テキスト・HTML)よう心掛けることが重要だ。
そしてアナログへ
以前、この方式が続かなかった理由は、再利用できなかった、ためだ。では、これらの情報はどこで、どのように活用できるのか?
さまざまなカードを閲覧し、ときとしてリンクをたどり、検索もいとわずに参集した内容を、ノートに手書きしていくこと。断片の集積が、肥大化したリンク機能をもった大脳新皮質を刺激し、さらに手書きによる肉体的刺激も相乗効果をもたらして、「創発」する何か、を期待する。
今はそんな気持ちである。
さいごに
Tabletの再活用先は、いまだ考え中だ。
これらについては、また別のお話で。