世界認識
はじめに このところ、短歌入門関連の書籍を立て続けに読んでいて、直近に読み終えたのは、この本だった。 www.kadokawa.co.jp 短歌の入門書としてどうか、というのは人それぞれにあうあわないがあるだろう。わたしは、俳句や短歌の入門書を読んで、作りたく…
はじめに エシカルがブームになりかけて、途端に静かになり、かわってSDGsが高らかに宣言されたとの感を持つ。 エシカルという包括的で、消費者を操作する運動では、経済発展の足を引っ張りすぎるからだろうと考えている。 SDGsは、消費者より企業側…
はじめに 今回はこのインタビューを読んで感じたことをまとめるつもりだ。それはつまり、このインタビューをもとに、私が佐藤優樹さんを二次創作する 試みに他ならない。全ての物事は、自らの不透明な体を通してしか、語り得ないからである。 www.fanthology…
定型詩にせっせと励んでいて感じること。 世界を定型に切り取る。 定型に収めるために取捨選択する選択眼。 針の穴から空を見る、その針の穴を駱駝が通り、ひょうたんから駒が出る。 宇宙と一体化する異次元空間としての定型。 と、これは「他者・対象」を「…
はじめに BFC2の話題がtwitter上で盛んである。 文学は尖がっているべきだと思うので、たいへんに楽しい。 一方、あまり難解なものだと、たとえ6枚とはいえ読み通す気にならない。 読書とは時に忍耐でもある。苦行の果てに行き着く愉楽をヨシとする向き…
はじめに 『身体の宇宙誌』 鎌田東二著 bookclub.kodansha.co.jp 随分以前、この本を読んだ際には感じなかった興奮を、今の私は禁じえない。 本を読むには時宜がある。 今、私がこのタイミングで本書を読み返すことで、先ごろ書き終えたある小説を跡付け、か…
はじめに タイトルに深い中身などない。これはイメージだ。 マスクせる顔面を恋愛対象とするとき、互いに感染リスクを負いながらマスクをはずして濃厚接触者たらんとする覚悟をもてるか否かの判断を迫られる時代にシフトした。 無マスクで唾液を撒き散らす行…
はじめに noteの「六枚道場」という文芸サークルに投稿される作品はどれも尖がっていてすばらしいのです。 note.com ことさら、〈詩・短歌・俳句〉部門の常連の方々の、言葉のセレクトに常々やられています。そこでは、形式の表層にとどまりながら逸脱するこ…
はじめに 長いことかかりましたが、読み終えました。『磁力と重力の発見3』 www.msz.co.jp このブログでも、散発的に感想文など書いていました。 mochizuki.hatenablog.jp mochizuki.hatenablog.jp mochizuki.hatenablog.jp 実は、前のほうをほとんど忘れて…
はじめに 音楽寅さんという懐かしい番組で、オープニングテーマを作る回を見ていると、桑田さんは、うまくいった! いい! 最高! など肯定的な感極まった時の感嘆詞として「似てるっ!」を用いていた。 これが、「来た」 同様の感嘆詞に「近い!」「来てる…
はじめに 『レンマ学』(中沢新一)を読んでいて、この本からの引用がありました。私は、脳=腸 を半ば本気で信奉しているフリをしており、その意味で「頭足類」には非常な関心を抱いているとともに、メンダコとコウモリイカには目がないときていますから、…
はじめに 昨日、新型コロナ肺炎の感染防止のためのさまざまな要請について、思ったことをつらつらと書いたブログを上げて消した。その結びとして書いたのが以下の文章だった。 社会制度と生命との関係を、見直すべきなのだと思う。呼吸する空気の偏在を正す…
はじめに 『磁力と重力の発見』全三巻を、ときどき読み進めています。いまのところ、『3』の三分の一くらいまできています。ヨハネス・ケプラーを取り上げていて、それが『レンマ学』と交差しているところがおもしろく感じ、ランダムに併読していると、時折…
はじめに 中沢新一さんの『レンマ学』は、とってもお得な一冊だ。なにしろこれは中沢さんの集大成の根本テキストなのだから。 bookclub.kodansha.co.jp その中心には「華厳経」がある。まだぜんぜん途中までしか読んでいないが、私はこんな感想を書いた。 中…
はじめに 自由律俳句は、作るのに資格がいると思う。 その資格がない人間が作ったものは、単なる短文であり、珍文奇文だ。もちろん、それらの中には、一言ネタとしてはおもしろいものも多いし、「すごい」と思うものも少なくはない。私は、この「すごい」と…
物・事・理・法 物は時間的で理に依拠して変化する。事は空間的で法に依拠して移動する。 物は事の経時的顕れであり事は物の共時的実相である。 物には境界があり事には流動がある。 理は物によってのみ部分的に顕れ法は事によってのみ部分的に顕れる。 全て…
はじめに 可能な限り「唯物論」で推していきたい身としては「感情」のメカニズムを勉強することは不可欠だと思っている。 本書『感情とはそもそも何なのか ―現代科学で読み解く感情のしくみと障害』(乾敏郎 ミネルヴァ書房 2018.9.30)は、その意味でとても…
はじめに ある表現者の表現をテクストとして扱うことは鑑賞者の特権であり、限界でもある。なぜなら、表現者と鑑賞者との間の隔たりは決して埋めることができず、他者と自己とは決して、同一化されないからだ。また、同様に表現者と表現との間にも隔たりは存…
はじめに ときおり、「アソシエーショニズム」について考えているわけですが、やはり理論的にいって、もっとも原理的で先鋭的であるのは柄谷行人さんの「消費協同組合」を軸とした「交換形式による歴史考察から導かれる貨幣揚棄の未来」像なのです。 『批評…
はじめに 角川書店の『増補 現代俳句体系 全15巻」を通読して、ふと思いついたのは「平和俳句」です。「へいわ」ではなく「ピンフ」です。さまざまな要素が組み合わさっていながら結果的に「0(=1)」であるような俳句です。 私は写生至上主義ですが、子規さ…
はじめに 芸術は「非ー意味」を表現する。 この世界は、張り巡らされた「意味」という、通常であれば堅固な地盤の上に建っているように感じられる。だが、その大地が地震によって揺り動かされるたびに、磐石と感じていた地面が、表層という卵の殻のように薄…
はじめに 分節により「意味」が生じた。ただし、まだそれが「意味するモノ」は生じていなかったし、「意味を表すモノ(音や記号)」なども生じていない状態だった。「そのような『意味』を認識するモノ」も生じておらず、分節された意味の間に序列も生じてい…
はじめに 先日、こんなことを書いた。 「真如」もしくは「空」が分節することでこの世は始まりました。 「始まった」というのは文字通り、時を刻み始めた、と言い換えることもできるのですが、この「時を刻む」という観念こそが「分節」されたこの世を起点と…
はじめに 井筒俊彦さんの『意味の深みへ』を一読し、現在は『コスモスとアンチコスモス』にとりかかっている。 この先、何度も読まなければならなくなる著作であり、読むたびに変化を余儀なくされる著作であることから、ここに一読した印象を記しておくこと…
はじめに フジテレビTWOで生中継された、『アンジュルム コンサートツアー2019春 ファイナル 和田彩花卒業スペシャル 輪廻転生~あるとき生まれた愛の提唱~』(2019年6月18日(火))を、録画して見ました。 和田さんの、存在感に圧倒されました。楽曲も音も…
はじめに 偶然立ち寄った本屋の岩波文庫のコーナーで見つけたのは、図書館の検索で「該当なし」だった、井筒俊彦さんの『神秘哲学 ギリシアの部』だった。そしてその隣には、『意味の深みへ 東洋哲学の水位』と『コスモスとアンチコスモス 東洋哲学のために…
はじめに 『意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論』は、2015年5月25日に第一刷で、同年7月10日に第三刷までいっている、人気のある本だったらしい。 「いつ生まれるの?」「今でしょ!!」(え~~~~ 今さら……) ……結論からいって、「いつ」…
はじめに 『東洋哲学覚書 意識の形而上学 ―大乗起信論の哲学』井筒俊彦著 を読んで、新たに拓けた知見について記す。 問題意識 こうした本を読むとき私はいつも以下の問いを解決したいと考えている。 「真如はなぜ分節するのか」 真如の私的定義 私にとって…
はじめに 私の書くものには「誤字脱字変換ミス」が非常に多い。それは、書くときも読むときも、一文字一文字を見ているわけではないからだ。一文字毎に引っかかっていては、「意味・文脈」を捉えることが困難になる。だが、それに気づいたときにはとても恥ず…
はじめに 「好奇心」が問題なのだ。誰もがそれを肯定しあまつさえ推奨さえしながら「好奇心」の対象如何によっては眉をひそめ「品性下劣」の烙印を押されるのが当然とされる世間には良い「好奇心」と悪い「好奇心」とがあり、それは「好奇心」の向けられる対…