望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

疎外

手帳の抜書の抜書202101-03 その2

(前回の続き) 『アドルノ 新音楽の哲学』より 音楽は仮象の欠如、すなわち形象をつくらないことによって他の芸術に対して特権をあたえられてはいるが、しかしその特殊な関心事と因襲による支配との倦まざる和解によって、力相応に、市民的芸術作品の仮象的…

SDGsの持続と格差

はじめに エシカルがブームになりかけて、途端に静かになり、かわってSDGsが高らかに宣言されたとの感を持つ。 エシカルという包括的で、消費者を操作する運動では、経済発展の足を引っ張りすぎるからだろうと考えている。 SDGsは、消費者より企業側…

仏教にとって移動とは何か ―無常といふこと

はじめに 「一所不在の業があるから大変だよ」と『ブッダの方舟』で中沢新一さんが話していた。私はこのような業を「無常」を感ずるための業なのではないかと考えている。 蝶のように舞い 一つのところにとどまらず、絶えず移動し続けることは、ボクシングの…

岩波文庫より井筒俊彦さんの著作が立て続けに刊行された狂喜

はじめに 偶然立ち寄った本屋の岩波文庫のコーナーで見つけたのは、図書館の検索で「該当なし」だった、井筒俊彦さんの『神秘哲学 ギリシアの部』だった。そしてその隣には、『意味の深みへ 東洋哲学の水位』と『コスモスとアンチコスモス 東洋哲学のために…

疎外のレベル

はじめに 疎外を帰属によって解消しようとしてはならない。 ① 帰属こそが疎外を産む ② 疎外こそが自由を産む ③ 疎外こそが存在を産む ④ 帰属こそが奴隷を産む からである。 ①帰属こそが疎外を産む 帰属とは集団に従うことである。それは常に個人にって不利な…