望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

2025-01-01から1年間の記事一覧

叙景短歌と「ただごと歌」― 「今ここ」の感覚

はじめに 叙景短歌とは、わたしが勝手に考えている「短歌」のスタイルだ。 mochizuki.hatenablog.jp mochizuki.hatenablog.jp 今回のブログでは、この「叙景短歌」と「ただごと歌」との相違点の検討したい。テキストとなるのは、現代、「ただごと歌」を意識…

叙景短歌における比喩の功罪 ―toron*の比喩の的確さ

はじめに 前回に続いて、テキストは『羽と風鈴』嶋稟太郎 から抜き書きした150首だ。今回のテーマは「叙景短歌における比喩の功罪」である。 比喩は限定する 比喩の大半は、作者が伝えたい事物を読者に届ける際、その性質を限定するために用いられる。ある時…

散文に似ることを恐れない ―『羽と風鈴』嶋稟太郎 を手本に

はじめに 手本にしたい短歌を見つけた 『羽と風鈴』嶋稟太郎 |短歌|書籍|書肆侃侃房 手にしたのは偶然だった。一読して、唖然とした。 しばらくは地上を走る電車から桜並木のある街を見た これは、短歌なのか? 赤い火がときおり起こるうなぎ屋の小さな窓…