禅
はじめに 英国式庭園殺人事件(グリーナウェイ監督)では、庭園を写生する絵師が写生機械と化して写生に没頭するあまり、自らが殺人事件の目撃者となっていることにその時は気付かぬまま、その克明な記録を残していたという、重要な要素があったと記憶してい…
はじめに セレクション俳人07 岸本尚毅集(邑書林 2003.6.10)を読み、季重なりの多さに吃驚した。だがこれはもちろん意図的だ。 巻末の「散文」の中の「写生と季語のダイナミズム」を読んでいて、季題をどのように考えているかを知った。 今回は…
はじめに 『身体の宇宙誌』のメモを作っている。以下は再読を始めたばかりのころの感想文。 『永い屁(自作小説)』では、明確に「即身仏」を打ち出すこともなく、したがって「即身仏」の速度、つまりは肉体の速度から逃れるために必要な自由落下に関するこ…
はじめに 実作では全くそれを顕すことができていないにせよ、俳句をどのようなもの捉えているのかについては、だいぶまとまってきた今日この頃。 前回は『俳句の世界』を読んだ感想を書き、今週はもう一冊の方をかこうと思うのですが、まだ全然読めていませ…
はじめに 前回に引き続き「自由律俳句」だ。 私の手元にある荻原井泉水さんの句集は新潮社版の昭和12年1月7日の版で、昭和4年から昭和9年、鎌倉在住の頃の句を集めたものだ。昭和9年に五十歳となった井泉水さん的にも、よいまとまりの期間だったのだ…
はじめに 自由律俳句は、作るのに資格がいると思う。 その資格がない人間が作ったものは、単なる短文であり、珍文奇文だ。もちろん、それらの中には、一言ネタとしてはおもしろいものも多いし、「すごい」と思うものも少なくはない。私は、この「すごい」と…
はじめに 『東洋哲学覚書 意識の形而上学 ―大乗起信論の哲学』井筒俊彦著 を読んで、新たに拓けた知見について記す。 問題意識 こうした本を読むとき私はいつも以下の問いを解決したいと考えている。 「真如はなぜ分節するのか」 真如の私的定義 私にとって…
はじめに 華厳経が好き。豪奢で華麗だから。 「善悪」とか「仏性」とかにはあまり興味はなくて、華厳経に表れてくる「宇宙」が好き。人間なんてどうでもいい。人間が人間になる以前のことが書いてある部分が好きで、人間が人間でなくなった後が書かれている…
はじめに #一行怪談創作部 というtwitterでの創作怪談コンテストへについて、『一行怪談』の作者は「怪談」をこのように定義している。 ただ、応募作品の中には「怪談」となっていないものも含まれていました。「怪談」の恐怖とはなにかと言えば(これも私の…
はじめに これ、刊行時、予約で購入しておりまして、おくづけによれば、第一巻は、2002年1月30日初版発行となっております。 買ったなり、拾い読みすれども、じっくりと熟読しないまま12年半の年月が流れ、あらためてこの夏、精読してみようではないかと思い…
『精霊の王』中沢新一 講談社 2003.11.20初版 2003.12.19ニ刷 「生命」の問題 禅と密教 仏教は物質を否定する。 解脱とは物質を生み出す運動からの離脱だ。仏教にとって物質とは存在そのものであり、そのように存在を結んでしまった物質を解きほぐし、大いな…
はじめに 相田みつをについて手探りで調べていった時、まず驚いたのは、相田論とよべるものがないに等しいらしいことだった なぜかくも多くの読者をえながら、相田みつをは論じられることが少ないのか―(後略) KAWADDE夢ムック 相田みつを 奇跡のことば 編…
はじめに 「私説 現代俳人像 上 倉橋羊村 東京四季出版 平成十年一月一日」を読んでいて、石原八束さんの「反写生の姿勢」について考えた。 慙愧の念 今回のブログでは、この「反写生論」への反駁を試み、「心の内」などという近代的自我を盲目的に信奉する…
はじめに 「写生」により「物(存在)」の本質へ近づくための忘備録 年譜 日本「写生文」 1887年 言文一致 二葉亭四迷『浮雲』 1894年 写生(俳句)正岡子規(画家 中村不折より) 1898年 ホトトギス 虚子『浅草の草々』子規『小園の記』 1900年 「日本」誌 …
はじめに 正岡子規さんから高浜虚子さんという大道。写生という原理主義から、より過激な花鳥諷詠という保守革新(ここには「美学」の問題がありますが、今回、美学については保留いたしました)。いずれも、主観から客観へ至るメソッドであった。 ここでの…
はじめに ニュースでやっていて、こういう映像が流れていて…… www.youtube.com で、こういうものがあると聞いて…… www.hieizan.or.jp 何だこれ? と思った。 千日回峰行 千日回峰行は、平安時代、延暦寺の相應和尚(831年~918年、一説に~908年)により開創…
はじめに 蒟蒻問答について ひじょうに印象深い落語。様々なところで採り上げられています。 こちらのブログではとても丁寧に分りやすく紹介なさっていますので、よく知らない方はまずはこちらをご参照ください。 senjiyose.cocolog-nifty.com 大根問答につ…
The full-metal jacket 五感と仮説 五感のいくつか、または全てを総合した現象を「体験」とよび、その体験を統合したときに現われるものが「世界」である。 「世界」は自明ではなく、仮説の検証によって見出された事実である。 文化と教育 様々な仮説が採用…