2021-01-01から1年間の記事一覧
はじめに 「現代俳句大系」を書き写していたとき、奇異な感を得た俳句を書く俳人があった。写生句を中心に書き写しているなかで、その俳人の俳句群はとびっきり奇妙な、フォークロアというか、今昔物語的というか、ポンチ絵的というか、とにかく好ましいケレ…
はじめに あまりにも有名な俵万智さんの『サラダ記念日』 www.kawade.co.jp 1987年に、短歌を一新したエポックメイキングな歌集。 『口語を使った清新な表現で』と紹介文にもあるように、当時は「ああ、短歌はこんなに自然な言葉で作っていいんだ」と、…
はじめに 今回のブログには、以下の内容を進めるための材料、つまり宮沢賢治さんの短歌をいくつか抜粋する。 mochizuki.hatenablog.jp わたしが、読んで短歌を書き写したのはこの本だ。 www.chikumashobo.co.jp 短歌は案外多い。因みに俳句は「菊花展」にか…
はじめに ファンです。 sasakiarara.com このアルゴリズムによって自動生成される短歌は、わたしが「短歌」だなと思える形式と、エモさを備えている。 わたしは、散文的叙述ばかり行い、論旨、繋がりが明確で簡潔な、状況を的確に伝えられる文をかくように心…
はじめに このところ、短歌入門関連の書籍を立て続けに読んでいて、直近に読み終えたのは、この本だった。 www.kadokawa.co.jp 短歌の入門書としてどうか、というのは人それぞれにあうあわないがあるだろう。わたしは、俳句や短歌の入門書を読んで、作りたく…
はじめに 純度の高い小説は燃える。実際、この小説では本や家がよく燃える。そしてそこに残った焼け跡は、焼ける前よりも豊かだ。それは余剰によって豊かなのではなく、消尽によって豊かにされるしかなかった。抉られた傷に再生する肉片がつねに盛り上がるよ…
はじめに 本書のタイトルをみて、読まねばと思って読んだ。以下はその感想とまとめ。 www.chikumashobo.co.jp 鏡は皮膚とは違う。見られるモノである、という一点を除いては。 シュミラークルにまつわる議論は、だから退屈だ。むろん本書はそのような退屈さ…
前回からの続きです。 飛鳥田孋無公(あすかたれいむこう) さびしさは星をのこせるしぐれかな 霧はれて湖におどろく寒さかな 河の水やはらかし焚火うつりゐる 返り花薄氷のいろになりきりぬ 秋風きよしわが魂を眼にうかべ 昭和五年三十五歳の作。この3年後…