保護貿易
「保護主義」という言葉をよくきくのでWikipediaを見た。
国際大会で負けそうな競技や選手にハンデをもらうこと。参加各国いずれもがハンデをほしがり、結局大会そのものが縮小し、競技人気も下火になり、国体とかインターハイレベルの選手しか育たなくなるのが問題点。
けれど、ハンデなしの実力主義で、っていったって、国内での育成環境が選手の実力に直結する場合が多いので、潤沢な資金を投下できる国が最初から有利だ。育成にあまりお金がかからない競技ならアフリカとか南アメリカなどが優位だと思う。でも、そういう国に対して、競技連盟はあまり普及活動をしない。入ってこられたら勝てなくなるからね。
保護すべきは国技。相撲なんか四股名制じゃなければ、外国人は土俵にあがれなかっただろうな。そこへいくと柔道なんか保護によって小さくまとまるより、海外勢に席捲されようとも国際的な競技となることを選んだ。そのなかで、日本人は存在感を見せている。立派。
自由貿易
自由ってスバラシイ
こういう柔道みたいのが保護貿易の反対の、自由貿易というらしい。もともと貿易っていったって、売買行為なんだから、市場の原理に口をはさむことはないと思う。お金大好きな企業様にまかせておけば、損しないようにやってくれるってこと。人が飢えても、利益があがれば国もうれしい企業もうれしい。
え? 産業の衰退? 産業の空洞化?
保護してたって絶滅種は絶滅種。佐渡島のトキだって、野性とはいえないでしょ。市場競争に耐えられない伝統芸能は、別枠で保護し継承しとけばいい。自由競争社会なんだから。アメリカンドリームなんだからっ。
「アメリカどうする?」的な
この間、日本が「自由貿易」の旗手みたいになって、ドイツとかと「困るねぇ」とかやっていたみたい。日本はTPPで「米」さんざんごねてたし、ドイツはゴリゴリの保護主義だったとwikiに書いてあったよ。どの面さげて……と思ったさ。
イギリスだけがEUに入るまでは自由貿易だったらしい。今度EU離脱するからまた自由貿易なのかな? それともごりごりの保護主義に走るかな?
自国愛
保護主義は、世界の右傾化に拍車をかけるというけれども、かつてだって、今だって、国際社会には「ジャイアニズム」しかなかった。ジャイアニズム - Wikipedia
国家があるということは、自国が最優先するということ。資源に限りある地球において他国より自国が優先するとは、つまり他国を殲滅してでも資源をぶん獲ってやるぜ、って意志表示をしているってこと。バトルロワイヤルにおいては、とりあえず面倒そうなやつ、強そうな奴を、共同で落っことして、互いに喜び合うフリをして相手を突き落とすという作戦だけが有効。
資源争奪戦争の場合、コストとなる他国民は不要になる。なので、皆殺し。その後は、自国内のブロック闘争がはじまって、最後の一集落になるまでの殺し合いが始まるのだけど、それはまた別の話。
国際分業というカースト
自由貿易で世界経済が潤う条件は、ずばり「国際分業」だそうです。おのおの得意分野でがんばって、不得意な国家に輸出する。足りないところを補い合って、win-winが実現するという寸法だそうですが。
石炭産業は衰退した。他の事業が衰退して何が悪い?
おいしい日本の米がなくなるのは嫌? じゃ、安いカリフォルニア錦に不買運動を。日本産を「買って応援」すればいい。市場の原理というのはこうやって働くものだ。消費者運動こそ至高!
ナイススティック
衰退産業従事者は賃金が低くて高価な日本米など、とても買えませんが何か?
そこで、保護政策ですよ。セーフティーネットですよ。ベーシックインカムですよ。
徒手空拳で「開国」した日にゃ、安い労働力、安い物価、そこそこな製品。高カロリーなものほど安い。大きな菓子パンかじって単純労働。人間、死ぬまで国民だからなぁ。
日本の売りは、ハイテク、情報? それあんまり労働力必要ない分野じゃない?
日本に住むなら、技術者でなければ生活できない。それが国際分業。それだけじゃ、窮屈だってんなら、
カジノも大麻も合法にして、一大リゾートアイランドに転身!
四季があって、京都があって、アイドルとマンガがあって、秋葉原があるから、海外の金持ちが集うリゾートとして生まれかわって、世界に冠たる観光消費大国。おもてなしの心は世界一で、お金をおとしてもらうためなら、200時間残業なんて平気。天下御免の太鼓持ち専修学校を出て、身も心も捧げましょ。他にとりえがないのだから。
明るい未来に就職希望
希望の職につきたいのなら、希望の職業が比較優位な国へ移住する。
ビザ成しでどこでもいける世界連邦。
自由貿易っていうのならこれくらいしてほしい。ついでに通貨も統一したら簡単でいいや。言葉はね、せめて英語は話せないといけないか。
国際化より無国籍化を目指して、英語を習得しておこう。
国敗れて資源なし
ブロック経済なんてバトルロワイヤル作戦と同じ。危なくなったら相手が近い分危険だよ。せっせと集めたバイオ資源とか根こそぎやられるから。信用しすぎちゃだめ。
一家に一反
今になって、農業に脚光を浴びさせるのなら、企業としての農業じゃなくて、家庭菜園の普及と拡大こそ急務だと思うの、自衛的にも。でもこれもまた別のお話。ってことで。
以下は、参考抜書き
中野剛志はイデオロギーは都合良く巧妙に操作されるとし、自由貿易が良いという理論をイデオロギーとして流布する帝国があり、それは19世紀であればイギリス、20世紀の戦後であればアメリカであったとしている。アメリカは保護主義的な政策で成長したにもかかわらず、戦後に圧倒的な影響力を持ったとたんに、自国の製品を世界で売る必要から、各国の関税が邪魔になり、自由貿易のイデオロギーを強力に推進するようになり、これは19世紀のイギリスの理屈も同じであるとしている。フリードリッヒ・リストは自由貿易はイギリスのナショナリズムだと見抜いていたとしている。また、同様の趣旨を福沢諭吉が『通俗国権論』や『時事小言』の中で言っており、ドグマにとらわれない「実学」を強調しているとしている[13]。
中野は貿易政策において「戦略」は必要であるが、重商主義は間違っているとしている。貿易する財の性質や市場の構造により、両国の力関係は異なるため、貿易により一方の国がモノを売ることで利益を稼ぎ、他方の国がそれを買うことで消費という恩恵にあずかることは、両国が常に同じような利益を得るということではないため、自由貿易は必ずしも互恵的ではないとしている[14]。