Are you Happy?
ずっとAre you Happy? がよく分からなかった佐藤優樹さん。
www.youtube.com2018年6月13日発売の両A面シングル「Are you Happy?/A gonna」
が、先日、ブログに書きました。
佐藤優樹さんは、物事を決して、抽象的・概念的・一般論的・字義的に「解釈」しようとはしない人です。「わかる」とは「腑に落ちる」という体感としてだけ納得ができて、それは「事物の解釈」という互いから互いを隔てた「客観的観察」からは、決して生まれない「共感力」によるのだと思います。そして、そのような姿勢の根本にあるのが、「贈与」であり「Are you Happy?」という謙虚さなのではないか、というのが、今回のこのブログです。
Are you Happy?
佐藤さんが、この女の子は病んでいるのか? とつんく♂さんに質問した理由は推し量ることしかできません。
「愛は予約できない」と言いながら
最後に「来年の誕生日の分、先に愛してね」と笑う女の子の矛盾した気持ちに共感できなかったからかもしれませんし、
「愛」は、今日は今日の愛で、明日は明日の愛。貯金もできないし予約もできない。それは、「愛」が「貨幣」とは異なるからだ、というふうに思われます。それは、蓄積することはできず、絶えず流動することで全てのものを繋ぐ力なのだと思います。当然、利子はつかず、貸借の対象にはなりません。「愛」とは絶え間のない「贈与」の循環であり、増えも減りもしないものなのです。しかし、人間は「愛」に鈍感になってしまいました。それは「縁起」に共感する場が「因果」を理解する器官に抑圧されているからなのかもしれません。
「愛」を独り占めしたくて、人が持っているものを欲しがってばかりで、相手に愛されていても不安でしかたがないから保証をつけてほしいと願いながら、そんな「我愛」で孤独に囚われている自分を打破してしまいたい、と救いを求め、でもやっぱり、相手に「依存」せずにはいられない女の子像を、私はこの歌から感じました。
Are you Happy?
佐藤優樹さんがこの歌から、どんな女の子像を感じ取ったのかは分かりませんが、その感じ取った女の子像を、佐藤優樹さんは尾形春水さんに依ってつかめたかな、と実感しました。一人の女の子として矛盾しているように思われた女の子が、佐藤優樹さんの中に、一人の人間としてリアルに生き始めたのだと思います。そして、その気持ちで歌を捉えようとしたとき、つんく♂さんの歌詞やリズムやメロディーは、ちゃんとそれに応えてくれる、そんな凄さがあるのだと思いました。
私には冒頭から出てくる「もう遅いよ」が、誰が誰の何に対して「遅い」と言っているのかが、よくわかりませんでしたし、
「一緒にいた後は」「不安しかない」というのも、いわゆる「愛別離苦」を先取った苦しみなのだろうと、一般的に思っていたのですが、佐藤優樹さんのブログが、ストンと腑に落ちました。
尾形春水さんに依って歌に共感し、その共感する心をもって、尾形春水さんへもさらに深く共感することができる。そうしてAre you Happy? という歌も、モーニング娘。も佐藤優樹さん自身も、尾形春水さんも、関わっているスタッフさんたちも、ファンも、世界中の人も、そのように自分がかかわることで「みんなが喜んでくれたらいいな」と願う。佐藤優樹さんは、そんな「贈与の人」なのだと思いました。
Are you happy?が喜んでくれるか分からないけど。笑
Are you Happy?
今回の佐藤優樹さんのブログを読んで、改めてこのAre you Happy?というタイトルの重さを感じます。
つんく♂さんは、大上段に構えた概念的な「愛」などではなく、もっとも身近で、もっともありふれた、もっとも大切な「愛」の詩を、それを必要とするそれぞれの人に寄り添って送り出し続けているのだなと、感じます。
今回、Are you Happy? は、What is LOVEに並んで、好きな曲になりました。
佐藤優樹さんによる新たな「Are you Happy?」を見られる日を心待ちにしています。