届いた
初見の印象
このブログは内容バレを含みます。事前情報なくDVDを楽しみたい方は、閲覧をご遠慮ください。
このブログは、このDVDを一昨夜、一通り見たところでの印象です。
予告編をみて期待していたほどではなかったな、というのが正直なところです。
では、私は何を、勝手に期待してしまっていたのでしょうか?
期待していたこと
第一に、10期四人だけの、混じり気のないのびのびとした自由な関係性を知ることができるのではないかという期待。
第二に、工藤さんの「卒業旅行」という色合いから、それぞれの心情が、現れるのではないかとという期待。
第三に、やっぱり「10期」最高だよね、とうなずきたかった、という希望。
第四に、工藤さん卒業から、それ以後の一連の、佐藤さんの発言、ブログを踏まえての、「まぁどぅーとはどのようなものだったのか」を知る手掛かりになるのではないか、という期待。
と、挙げればこんなことを期待していたわけですが、なによりも求めていたことは、
この4人が、楽しくわちゃわちゃとしている情景を、眺めていたかった わけです。
求めていた多幸感(過去のDVDより)
その期待はかなえられないかもしれないという予感。それは、冒頭の10期会議からはじまりました。
例えば、何度も繰り返してみたくなるモーニング娘の多幸感DVDといえば(現メン参加、かつ、Alo-helloおよび、コンサート、ツアー帯同DVD以外では)
vol.48「かっぱ、撮影、料理」、vol.53「石田あゆみ「これトラ?」」、vol.57「モー喜利、カメラマン」、vol.63「民家」、vol.67「いちご狩り、カレー」、vol.74.76「一泊二日サマーキャンプ」、vol.80「学校」、「サムゲー」シリーズ、vol.97、101「一泊二日サマーキャンプ(河口湖)」などです。
そして、当然今回のものも、「民家」や「サマーキャンプ」に匹敵するようなものになると思っていたわけですが、どうやら、手放しで浸るというわけにはいかないようだという危惧を感じたのです。
4人の期(9期、10期、12期)
4人の期
9期のまとまら無い一体感(鞘師さん、鈴木さんと、誰かが卒業するにつれて結束が固くなるという不思議な期 これについては、いづれどこかで)、たまに一緒にいても、緊張感が漂いながら、でも、ギスギスはしてないという複雑な関係性。これはやはり、鞘師さんを中心に据て保たれていた絶妙さ、といえるのかもしれません。
12期の「13期加入で、急速に成長し、14期加入で覚醒した」感じ。それぞれに個性豊かで、キャラクターもしっかりしていながら、長らく解き放たれることのなかった期。
9期が、加入した時の状況、そして後輩でいられた期間が極端に短かったという影響と、12期が先輩となるのが遅れたという影響。その狭間で10期は、9期および11期との明確なライバル関係を保ちつつ、10期内においても熾烈なライバル意識を燃やすことのできた期として、とてもアグレッシブであったと思います。
最年少メンバー
グループや期のカラーを決定づけるキーとなるのは「最年少」だと思います。
かつて、ハロモニのハワイスペシャルのバナナボートで、加護さんと辻さんのご機嫌をとるのがいかに大変だったか。9期においては鞘師さん、10期においては、工藤さん、佐藤さん、12期においては、羽賀さん。ベリーズ工房では菅谷梨沙子さん。℃-uteでは萩原舞さん。どの場合でも、年長者の最年少者にする気の使い方は、時に過剰とすら思えることもありました。そしてこのような気の使われ方を、最年少者は必ずしもありがたがってはいなかったと思いますし、同期としても「微笑んで」ばかりはいられなかったのではないかと邪推します。
10期の構造 ―佐藤さん取り扱い注意事項
10期のバランサーが「飯窪さん」であることに間違いはないと思います。
しかし、それは「工藤さん」という中心があればこそであったと、現在の10期を見ていると思えるのです。
工藤さんを失って10期から浮いたのは、佐藤さんです。と同時に、飯窪さんと石田さんを繋いでいた絆も、弱くなっていったように感じます。
同期として最年少の佐藤さんの言動の尻ぬぐいをすることが、必死のフォローから、半ば義務と化してしまったこと。その面倒くささをいかにして流し、処理するか。という態度に変わったこと。
佐藤さんが、他のグループやOGの楽屋に入り浸ることも、尾形春水さんに接近するのも、自分が他人にとって面倒臭い存在であると自覚したために他なりません。
それは10期に対してということではなく、メンバーの誰に対しても、そうでした。
佐藤さんは、先輩には甘えることで、後輩にはいろいろと指示したり、甘えて見せたりすることで、なるべく迷惑をかけることなく、自らの居場所を確保しようとしてきたように思います。それでも、道重さん、譜久村さんの、佐藤さんへの苦言(表向きは「たいへんだった」という程度に抑えられていましたが)は枚挙にいとまがありません。みな、彼女と彼女の天才をもてあましていたのです。(彼女自身がもてあましているのですから、無理も無いのです)
大人と子供
道重さんくらい年齢経験が離れていれば、佐藤さんへの対応にも、ゆとりが生まれるのだろうと思います。それに、もともと道重さんは、佐藤さんとスキルを争う関係にはありませんでした。その点で、譜久村さんは、相当きつかったと思います。河口湖のキャンプで「花火する佐藤さんが一番好き」といったり一緒に卓球で遊んであげたり、(あげたり、です)、がようやくできるようになったのだなと感じました。
ですが、いずれにせよそれは、大人が子供に対して接する感じ。なのです。
そして今回のDVDで、10期内でも、佐藤さん問題は、佐藤さんを「子供として扱う」ことで収束させるで決着し、佐藤さんもその扱いを、あきらめて、受け入れているらしいということが、明かになったと感じたのです。
諦め…
冒頭の10期会議で、佐藤さんの意見の、取り入れられ方と流され方。工藤さんまでもが、「自らの卒業」を前に、佐藤さんを子供として扱う、いわば飯窪さん、石田さんの側に立っていたのです。
このDVDでは、終始、佐藤さんのテンションは高かったのですが、それはこの10期と一緒でなくても出せるテンションではなかったかと、感じました。(むしろ、戦慄迷宮中盤以降での「完全沈黙」にこそ、10期への信頼を見て取れたと思います)
まぁーどぅーへの期待は、このDVDにおいては、満たされなかったといえます。そして、変わったのは(いや、変わらなかったのは、というべきなのかもしれません)やはり、工藤さんだったのです。
成長とは
10期は、佐藤さんをどのように制御するかによって役割が決まっていました。
幾度も4人が本気で喧嘩することで、培ってきた形があったのだと思います。
そして、「青春」というのはまさに、そのような葛藤の時期を指しているのだと思います。
佐藤さんが「ビジネス」という言葉でまぁーどぅーを総括しなければならなかったということは、「飯窪さん、石田さん」に対する信頼もまた、同じように「ビジネス」であったことを告げたのだと思います。
そして、そのような「成長」をしてしまったことを顕わにしたところに、私が感じた「青春DVD」の憂愁があったのだと考えました。
今回のDVDの略称が奇しくも「青春DVD」となった意味。それは、「青春」とは、「青春が成長によって終りを告げるものだ」という事実を、振り返ることでのみ見出し得るものであったという現実を如実に表していたものだったという点にあったのです。
それぞれの憂愁
あとは、それぞれに気になったところをピックアップして。
飯窪春菜さんの人間不信
ジェットコースター系に無理矢理乗せようという下りで、何度か、メンバーが口にする「また人間不信になっちゃうから」という言葉は、ひじょうに重たいものだったと思います。飯窪さんが、今年の石田さんの誕生日を完全にスルーしている辺りの違和感に、その再発を思わせます。
また、あれほど乗るのを嫌がっていたジェットコースターに、乗らなくてもいいよ、とメンバーに言われて、嬉しがっていた飯窪さんが、次の場面では表情を明るくして「仕事仕事♪」とジェットコースターに乗ることにした点も、一体誰が何を言ったのかと、気にかかりました。
石田さゆみさんの「私が守る」感
工藤さんを愛してやまない石田さん。お化け屋敷では、率先して最後尾に立候補し、じゃんけんで先頭を選んだ飯窪さんの立場を少々微妙にしたように思いました。ですがそれはとても石田さんらしい姿だったと思います。
お姉さんチームがどれくらい互いにを信頼しているのか。ジェラシーを感じないで接することができるのか。これからますます難しくなるような気がしています。
お化け屋敷つぶし
工藤さんの「お化け屋敷克服」に協力した残りの3人。みんな頑張りすぎました。結果、克服としては大成功でも、アイドルDVDとしては、とてもつまらないものに仕上がったと思います。
ガチの熱湯ではリアクションできないと、ダチョウ倶楽部さんも言っていました。今回は、お化け屋敷に対するよいリアクションは皆無です。
かつて、学校謎解きDVDで、羽賀さんが仕掛け人にとった態度ですとか、もっと前には、ハロプロのスポーツフェスティバルの騎馬戦における石川さんの本気クレームとか。
それらならば、素の性格が垣間見えて、おもしろいなという点もあったわけですが、今回の肝試しについては、お姉さんズ二人が、お化け屋敷のよいところをことごとく潰していくだけの、まさに克服するだけのものとなっていたように思います。
「お化けは触らないから! そういう約束になってるから!」「かぁ~めをたぁ~すけにきましたぁ~」のような名言もなく、カントリーガールズの、山木さんのリタイア芸と、稲場 さんの悲壮ながんばり、とか、つばきの皆さんの個性あふれる怖がり加減とかに比べると、なんとも残念です。
そんななか、初回のサマーキャンプで飯窪さんに脅かされただけで大泣きしていた佐藤さんがよく、最後までパニックにならず(ずっと下をみて飯窪さんの手首にしがみついたまま)クリアできたものだと感心しました。佐藤さんは本当に10期のため、DVDのために頑張ったのだと思いました。
工藤遥さんの「ビジネストーク」
ほうとうを食べているシーン。「お酒」に関する佐藤さんから工藤さんへのSOS的発言(これについてはまたいづれ)の後、工藤さんは「これから一人になって寂しいから無茶苦茶電話すると思う」と言っていました。飯窪さんも石田さんも「どうぞどうぞ」と喜んでいました。
私は相変わらず工藤さんがよくわからないのでこの発言についても、「卒業する人が言えば盛り上がること」だなと思ってしまうのです。そして、頼られたいお姉さんズは喜ぶに決まっているのです。
ただ、佐藤さんだけは、その電話が自分に来ないのだということを分かっています。10期は工藤さんが都合よく甘えにくる場としてあるわけではないのです。互いにビッグになって…… と卒業時のインタビューで話していた佐藤さんにしてみれば、「本当に大きく成長するまでは、連絡しないから」とでも言ってもらいたかったと、考えていたのではないかと、妄想してしまいます。
佐藤優樹さんの成長と孤独
佐藤さんは、歌やダンスやステージングなどのスキルの面で、ライバルと公言できる存在を失ったことがひじょうに気の毒です。
みんな「佐藤さんはすごい」「佐藤さんに会いたい」「佐藤さんが大好き」とはいいますが、それは「対等の立場」ではありえません。
今回のDVDの寂しさは、佐藤さんの寂しさだったように思いました。それは工藤さん卒業の寂しさではありません。
おわりに
10期の10期による10期のためのDVDが、悲しいものであったこと。
それは、アイドルグループにおいて内向きにはライバル、外向きには同志、という大前提がくずれていたせいだったのかもしれません。内向きのライバル関係を埋葬してしまったら、そこには何の関係も残らないのですから。
仲良し? 支え合う仲間? そういうものは「外部」の目標に向かうときにこそ真価を発揮するものです。
かつて、ベリーズ工房さんについて「ベリーズ工房は外向きに円陣を組んでいる」という秀逸な評を読んだことがあります。素晴らしい分析だと思います。
その意味で、10期の10期らしさを手放しで感じられるのは、このDVDではなくて、バスツアーのDVDなのではないかと思っています。
ファンのために10期が4人でできる最初で最後の大イベント。ツイッターでは、素晴らしイベントだったようです。ぜひ、こちらを早く見たいと今はそればかり思っています。
www.youtube.comDVD「Morning Days Happy Holiday 10期メンバー 飯窪春菜・石田亜佑美・佐藤優樹・工藤遥 ファンクラブツアー in 山梨」
以上
こういうのを待っていました。うれしい。
工藤遥 on Instagram: “「インスタに載せるよ〜」って 言ったら、この結果👍🏻 #モーニング娘。 #10期メンバー #久々に会いました #4人で焼肉🥩”