望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

2021年9月24日 佐藤優樹さんの卒業発表

卒業までの、そして卒業後の活動を応援し、追いかけていきたいと思います。 雑誌でも書籍でも映像でもラジオでも配信でも音源でも、演出や作詞作曲活動でも、今後もずっと目が離せないです。楽しみです。 以下はメンバーの皆様のブログの抜粋転載です。 モー…

詩はフレーズに宿るか ―『現代短歌の鑑賞101』より

はじめに 現代短歌の鑑賞101はひじょうに読み応えのあるアーカイブである。 www.shinshokan.co.jp明治三十六年生の前川佐美雄さんの「胸のうちいちど空にしてあの青き水仙の葉をつめこみてみたし」から、昭和四十五年生の梅内美華子さんの「蜜蜂が君の肉…

読みながら書くブログ 『俳句入門三十三講』飯田龍太 その3 22~ 33

さらに圧縮して記す 22 前衛と伝統 キリスト教は人間の生きざまを非常にこまやかに、ないしは微妙に、一貫して教えておるように思う。ところが、仏教のほうはというと、生きざまというより死にざまにほうにとりわけ重点を置いておる。 指先の草の匂ひが取…

Hello! Project presents「ソロフェス!2」私的MIP Best 3

はじめに 二回目があるとは思っていなかった「ソロフェス!2」 www.youtube.com 一度目は悲劇。二度目は喜劇といいますが、一回目があったからこそ二回目は、より楽しみでした。かくし芸上等、リベンジ上等。挑戦、深化、イメージチェンジ、なんでもOKな…

読みながら書くブログ 『俳句入門三十三講』飯田龍太 その2 7~ 21

前回からの続き。もっと圧縮しないと終わらないと気付く。 7 独自性と完成度 オリジナリティーはその作品の意匠ではないということを念頭におくことが肝要であり、完成度の高い作品ほど、その底に流れるオリジナルな味わいは強いのだと思う。 冬の滝ひびき…

読みながら書くブログ 『俳句入門三十三講』飯田龍太 はじめに~6

はじめに 読書が捗らない。思うことは多々あれど、読書経験という裏打ちがなければペラペラなブログでしかない。読んでから、書く。の読むができないから書く。も出来ない。そんなときのための「ざっくりさん」であり「メモ」である。だがしかし、書かないと…

ざっくりさん購読11「ミリンダ王の問い」11.第二編第三章の第三

第三 デーヴァダッタは何故に出家を許されたか? ミリンダ王(以下ミ):デーヴァダッタ(以下デーヴ)は誰に影響されて出家したんだっけ?ナーガセーナ(以下ナ):バッディヤ、アヌルッダ、アーナンダ、バグ、キンピラ、デーヴ、そして七人目に床屋のウパ…

ジレンマのアイドル(メモ)

最近思うのは、 アイドルは作詞作曲をしないで、提供された楽曲をプロデューサーやディレクターの要求するクオリティーで歌い、踊ることを求められるのだな、ということだ。 だから、卒業や解散にあたって歌われる歌に彼女達の心情は反映していない、重なっ…

なまなましいなまやさしさ ―松本てふこ句集『汗の果実』読後感

youshorinshop.com はじめに 風物から人物。静物から印象。詩から事実。 松本てふこさんの『汗の果実』という句集には、章立てのようなものがあり、順番に「皮」「種」「汗」「蔕(へた)」となっており、「ブドウ狩り」かしら、などと思うのはこのように書…

北原白秋さんのオノマトペリスト ―短歌の部

前回ブログの続きです。 はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林…

北原白秋さんのオノマトペリスト ―詩歌の部

はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ ;の…

windows7→windows10→Fedora32→Fedora34

なぜかLinuxをさわりたくなった。それは、Vine Linuxが開発終了したという知らせを一か月遅れで目にしたためだったかもしれない。 forest.watch.impress.co.jp 『日系リナックス』という雑誌の付録についていたVine Linuxで、CUIの面倒くささと、楽しさを知…

ざっくりさん講読 10 「ミリンダ王の問い」10.第二編第二章

第二 ブッダは全知者である ミリンダ王(以下ミ):ナーちゃん(ナーガセーナ)。ブッダは全知者なの? ナーガセーナ(以下ナ):そう。でも知識として知ってるんじゃないよ。知ろうとしたことをみんな知るんだよ。 ミ:知ろうとして知るのなら、全知者じゃ…

コレヘトの言葉=伝道の書

はじめに 旧約聖書の「コヘレトの言葉」は名言の宝庫だと聞いた。だが、旧約聖書にそんな「書」があったろうかと検索してみると、かつては「伝道の書」と題されていたものだと分かった。なぜ、名前が変わったのかについてもWikipedeiaに詳しい。 ja.wikipedi…

エマオの食卓 ―色即是空 「業」にあっては「業」に従へ

はじめに 聖書の話を聴く機会が増えた。 今朝は「ルカによる福音書 第二十四章三十節ー三十一節」いわゆる、「エマオでのこと」の話だった。 少し前に、イエス=キリストの復活について書いたとき、この箇所に触れていただろうか。 mochizuki.hatenablog.jp …

川本真琴|川本真琴 ―身体感覚の絶対性と弟への恋情

はじめに 初めて『1/2』のPVをワイドショーで見て www.youtube.com すぐに買いに走った。 川本真琴 1997・6・25 デビューアルバム「川本真琴」 www.sonymusic.co.jp 天才だ。と思った。 そしてこの人は早世なさってしまうのではないかと危ぶんだ。今…

「詩」以外の『戦後詩』を読む ―『戦後詩 ユリシーズの不在』寺山修司

はじめに 詩について語ることはできない。 詩を理解することができない。わたしは詩を散文のように咀嚼してしまうので。 寺山修司さんが好きだ。『戦後詩』は塚本邦雄さんの短歌を漁っていて見つけた本だ。 前衛短歌。寺山修司さんには、少女詩集もあり、詩…

ノリ・メ・タンゲレ ―ドーナツの穴に触れるとは

はじめに 肉体に関わる際、避けて取れないテクストは、『聖書』のイエス=キリストの受難と復活とその後日譚で、特に、ヨハネによる福音書に詳しい。 というより、「ノリ・メ・タンゲレ」は、ヨハネによる福音書にしか記載されていない。 マタイ・マルコ・ル…

身体を離れないこと ―『舞踏のもう一つの唄』を読みながら

はじめに モーリス・ベジャールさんだ。 www.shinshokan.co.jp 舞踊、武道、音楽、体操(スポーツ)に関する達人の方々の言葉はとても重要だ。なぜならば、そういう方々は身体を熟知しようとする方々だからだ。 私たちは身体として存在している。この存在の…

隠喩的でない世界などない ―『ヴァレリー芸術と身体の哲学』の「序」を読んで

はじめに 広義における身体による芸術表現を考えるとき、必ず引き合いに出されるのがヴァレリーさんだ。そこで、タイトルの本を借りて読み始めている。 bookclub.kodansha.co.jp 伊東亜紗さんは、『どもる体』も書いており、他にも、私にとって当面、重要な…

「写真」を「俳句」に置き換えて読む ――ルイジ・ギッリ『写真講義』を読んで

はじめに www.msz.co.jp 捨てられない絵葉書のような、密やかなイメージを撮りつづけた写真家ルイジ・ギッリ(1943-1992)。その何気ない一枚の背後には、イメージに捉われ、イメージを通して思考する理論家ギッリがいる。自らの撮影技術を丁寧に示しながら…

『誰にも聞けない短歌の技法Q&A』 より

はじめに 俳句は悩まない。短歌は悩む。小説は悩むのが楽しいが、短歌で悩むことは苦しい。 だから、さまざまな入門書を読むのだが、結局のところ「なぜ短歌にするのか」という根源的な問いへの答えなど、あるはずはない。 苦しければあきらめればいい。 だ…

手帳の抜書の抜書202101-03 その2

(前回の続き) 『アドルノ 新音楽の哲学』より 音楽は仮象の欠如、すなわち形象をつくらないことによって他の芸術に対して特権をあたえられてはいるが、しかしその特殊な関心事と因襲による支配との倦まざる和解によって、力相応に、市民的芸術作品の仮象的…

手帳の抜書の抜書202101-03 その1

はじめに 抜書しながら本を読む。その場で抜書できなけば付箋を挟んでおいて、あとで抜書する。手帳の抜書は後にノートへまとめて書き写すのだが、ノートに書き写すタイミングを逃している抜書が手帳に溜まってきている。自筆の手書きは時ともに判読不能にな…

コトは切断出来ないということ ―阿部完市と熊谷守一と島田修二

はじめに 前回も引いた以下のサイト。 weekly-haiku.blogspot.com ここに、とても興味深い「俳論」が引用されている。今回のブログはこの論について思ったことを記していく。 1.新しい回路基板の実装 俳句を作る、一句を成就するということは、言葉、言語…

短歌方面から気になる俳句 ―阿部完市さんの俳句に感じるメルヒェン

はじめに 「現代俳句大系」を書き写していたとき、奇異な感を得た俳句を書く俳人があった。写生句を中心に書き写しているなかで、その俳人の俳句群はとびっきり奇妙な、フォークロアというか、今昔物語的というか、ポンチ絵的というか、とにかく好ましいケレ…

『サラダ記念日』を改めて初めて読んだ ――言文一致体へ

はじめに あまりにも有名な俵万智さんの『サラダ記念日』 www.kawade.co.jp 1987年に、短歌を一新したエポックメイキングな歌集。 『口語を使った清新な表現で』と紹介文にもあるように、当時は「ああ、短歌はこんなに自然な言葉で作っていいんだ」と、…

共振する身心 ―宮沢賢治さんの短歌を拾う 

はじめに 今回のブログには、以下の内容を進めるための材料、つまり宮沢賢治さんの短歌をいくつか抜粋する。 mochizuki.hatenablog.jp わたしが、読んで短歌を書き写したのはこの本だ。 www.chikumashobo.co.jp 短歌は案外多い。因みに俳句は「菊花展」にか…

自動短歌生成装置「犬猿」(星野しずるさん)に学ぶ短歌の形

はじめに ファンです。 sasakiarara.com このアルゴリズムによって自動生成される短歌は、わたしが「短歌」だなと思える形式と、エモさを備えている。 わたしは、散文的叙述ばかり行い、論旨、繋がりが明確で簡潔な、状況を的確に伝えられる文をかくように心…

宮沢賢治の短歌(序説) ―不定形生命体という主体

はじめに このところ、短歌入門関連の書籍を立て続けに読んでいて、直近に読み終えたのは、この本だった。 www.kadokawa.co.jp 短歌の入門書としてどうか、というのは人それぞれにあうあわないがあるだろう。わたしは、俳句や短歌の入門書を読んで、作りたく…