お、遅いっ!!! このっ 手っ! 動け動け動けっ!!! なんて書いてあんだ、この線? ワンタイム速記かよっ! じゃ、解読不能だな。って、なんじゃ ぼけェ。えっと、このとき何考えてたんだっけなぁ……
思い起こせば四半世紀前。初めて手にしたワープロ NEC文豪ミニ7GX(1)。幸いなことにキーボード耐性は問題なし。鬼の英文タイプ(2)教師に限定感謝したもんサ。
ちっちゃな頃から悪筆で、硬筆6級でドロップアウト。判読不能さ加減は山の如し。それでも文字と文章とは別でしょ。とばかり、書くことが天職と、思い上がっていたなぁ。あの頃(3)
小学校の職員室にあったボールペン原紙を使う輪転機(4)。ああ、あの匂い。中学校の職員室にあったお高い和文タイプライター(5){探して、バチン。探して、バチン。あ-超漢字面倒くせぇ(No.自粛ー理由:無理やりすぎるから)、銀河鉄道の夜かっ(6)。}を時折つかわせていただいたり。「あ~あ。書いたものが、すぐ本にできればなぁ(from 飯尾さん)」
で。で。で。できるようになりました。こりゃ未来だなぁ、ってか、便利になったなぁ。パーソナルだなぁ(7)。
書くことは、写すこと。写すためにはフレームイン!。生物注意。入れたものは相互に干渉しあって熟成発酵しあったりするよ。完熟もろみマンゴー的思考を、デッサン? スケッチ? タブロー? エスキス? 習作? ともかく硝子越しのキスみたいな感じで、写すべし。暴れもがく思考たち。気をつけろ! やつら一匹いたら、20匹はいるというじゃあねぇか。ミイラ取りはミイラになるはず。偕老同穴も同じアナの狢に過ぎない。
こちとら、実は、天才ではない。「な、なんと下書きもなしに、一箇所の訂正もなく仕上がっておるではないかぁぁぁ!」(アマデウスより。驚愕のサリエリ)(8)なぁんて芸当は無理無理無理。
写して写して写し直して、考え直して、入れ替えて、付け足して、線引いて消して、写して写して、あきらめて、あきらめきれなくて、破いて、貼り合わせて、丸めて、投げて、入らなくて、蹴って、小指の先やって、うずくまって、少し泣いて、実家に電話しようとして思いとどまって、見上げた夜空で望月があくびしていらぁ。(9)
清書のつもりが、推敲になって、初稿、第一稿、改訂稿、第二稿、同改、改作版第一稿、えっと、今なんどきだい?(10) もう、2時よぉ。って、一人暮らしの部屋なのに、返事が聞こえる丑三つ時をいくつも越えてさ。
でも本当に、デジタルのデータ処理って、校正、編集が楽。ノートだったものが紙切れになり、切り張りの束となって、部屋はゴミまみれって状況にもならないものね。だ・け・ど、これって、奴らを写し終えたあと、詳細スケッチへ以降してからのの機能なわけで。さまざまなテキストエディタソフトは、そういう機能が考え抜かれているわけで(11)。
はい。一番いいたかった事で~す。いいですかぁ~。一番かわったことは、文字が、思考に追いつくようになったこと。正確に記すならば、筆が対象に追いついてきたよぁ。ときおり追い越すよぉ(12)。
思いのままにキーボードを叩いていることで開ける展望の早さと広さとに酔いしれた。思考をも、時折、その速度に身を任せることすらあった。
思考を外在化させるのにもっとも直接的なのは、ボイスレコーダーだろうな(14)。でもでもでも、書いたものが見えないと、なんか安心できないわけ。メモみたいなものにはいいけど、遠くの一転を見つめたままでしゃべり続けるってのはまた別の才能じゃない?あとさ。自分の声を聞かなけりゃならないでしょ? それは軽くヤバイ。文字という痕跡。思考は自らの輪郭を見せ付けられてなお一層の変質、やむことなし。書くことは読むことでもあるしね。
こうやって、書き流した文を、今度はじっくりと定着させるために、手書きで写してみる、なんて(二度手間な)こと、することもあるよ。
校正にはプリントアウトだこのやろう。紙が減るなんてこたぁないんだよ。将来、液晶がもっとすごいことになったら(14)、こんな浪費しなくてすむのにね。思考は思考を招く。文章は文章を召還する。出て来いUFO!
手書きには手書きのよさはありますよ。ノータイムで図解(15)もできるし。あ、線の段階で悪筆な場合はそれもまた苦行ではありまするが(16)。
手書きが直接的だって感じるのは、文字を書いているからね。でも、文字だって本当は、思考を直接表したものとは違うでしょ。文字を感得したいなら、書道とかするのがいいかもよ。文字を形として捉える感覚は重要。でも、漢字は、イメージ喚起力が強すぎるだよねぇ。あっとこれはまた別のお話(17)。
キーボードでも手書きでも。ディスプレー上でも紙上でもね。重要なのは、思考速度の調整ができるってことかなっておもった。今おもった(18)。見える景色が違いますから、出来上がる風景画も異なってくるというお話。
eM使えてますよ。目的とするページへストレスの無いジャンプをする一連の仕組み(検索制度とか、タグ)とか考えて生かしましょ。じゃ。
- 文豪HP:歴代の文豪たち
- 英文タイプ練習帳
- あの頃(画像)
- 1970年代には、「ボールペン原紙」と呼ばれる、ボールペンで筆記することによってインクが通過する部分をつくる印刷原版も存在したが、ボールペンの先が鉄筆ほど細くないことや原紙の特性から、ろう引き原紙にくらべて線が粗くなるものであった。(Wikipedia:謄写版)
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