望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

北原白秋さんのオノマトペリスト ―短歌の部

前回ブログの続きです。 はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林…

北原白秋さんのオノマトペリスト ―詩歌の部

はじめに 『NHK短歌 新版 作歌のヒント』永田和宏 NHK出版 の中の、「ヒント27」に、「エイッと、オノマトペ」という項があり、そこに「オノマトペといえば北原白秋」というような記述があり、 君かへす朝の舗石のさくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ ;の…

コトは切断出来ないということ ―阿部完市と熊谷守一と島田修二

はじめに 前回も引いた以下のサイト。 weekly-haiku.blogspot.com ここに、とても興味深い「俳論」が引用されている。今回のブログはこの論について思ったことを記していく。 1.新しい回路基板の実装 俳句を作る、一句を成就するということは、言葉、言語…

自動短歌生成装置「犬猿」(星野しずるさん)に学ぶ短歌の形

はじめに ファンです。 sasakiarara.com このアルゴリズムによって自動生成される短歌は、わたしが「短歌」だなと思える形式と、エモさを備えている。 わたしは、散文的叙述ばかり行い、論旨、繋がりが明確で簡潔な、状況を的確に伝えられる文をかくように心…

『身体の宇宙誌』が驚くべき私のロードマップだったこと

はじめに 『身体の宇宙誌』 鎌田東二著 bookclub.kodansha.co.jp 随分以前、この本を読んだ際には感じなかった興奮を、今の私は禁じえない。 本を読むには時宜がある。 今、私がこのタイミングで本書を読み返すことで、先ごろ書き終えたある小説を跡付け、か…

干首の作り方的な? ―あらすじが難しい

はじめに 小学生のころ、読書感想文を書いて提出したら、「これはあらすじだから、ちゃんと感想を書かないとだめ」と注意された。以来、感想文はおろか、いかなる文においても「あらすじ」を書いたことがない。こうして、わたしの「あらすじを書く能力」は退…

「お茶の水」問題

はじめに twitterにこんなこと書いて、ずっと考えている。 「お茶の水」ってすごく尖ってて洗練された表現だと思うから、この感じの関係性を探してるけど、ぜんぜん見つからない。朝顔の種(関係が違う)目玉焼きの卵(韻律がよくない)昨日の今日(対象が異…

エクリチュールとパロールとローマ字日記

はじめに Hareta Sora ni susamajii Oto wo tatete, hagesii Nishi-Kaze ga huki areta. から始まる石川啄木さんの『ローマ字日記』を借りてきた。 ローマ字で書かれてあるのだから、ローマ字で読むべきであろうと、ローマ字で読んでいる。読み進めるうちに…

書字はなぞるを反復する ――『美しい痕跡』のごく一部の感想

はじめに twitterに流れてきた本書。 『美しい痕跡』手書きへの賛歌 フランチェスカ・ビアゼットン著 みすず書房。 私は「手で」(わざわざこのような副詞で修飾することが必要な時代である。本書内ではこれとは別に「紙の」という新しい名詞についても紹介…

接続詞 ―「間」にある主観

はじめに 自明のこと。だが、自明、だからこそ、それを抜きにし、ては、伝わらないことが。 むしろ、「接続詞」だけが、私を構成しているといえる、ので、はないか? 接続詞は記号に擬態した感嘆詞である さらに、また、感嘆符(!)ですらある。 繰り返す、…

Associationism+LETS ――貨幣は全てを手段にするから

はじめに ときおり、「アソシエーショニズム」について考えているわけですが、やはり理論的にいって、もっとも原理的で先鋭的であるのは柄谷行人さんの「消費協同組合」を軸とした「交換形式による歴史考察から導かれる貨幣揚棄の未来」像なのです。 『批評…

長編小説としての ブレイキング・バッド と ベター・コール・ソール 

はじめに 見ていてつらくなるほど素晴らしかった、ブレイキング・バッド 見ていてつらくなるほど素晴らしい ベター・コール・ソール 普段みている海外ドラマとは一線を画す(と感じさせる)このドラマ。絵も音も、一口でいえば「無骨」。そして「丁寧」。 何…

『はじめての言語獲得 普遍文法に基づくアプローチ』を読み飛ばした理由

はじめに 人が言語をどのように習得していくのか。誰もが通ってきた道でありながら忘れてしまった「母語の覚え方」 バイリンガルの方や第二外国語習得者、もしくは多言語ユーザーなどの皆様におかれましては、それぞれの常識、非常識があることと思いますけ…

俳句と動詞 ―子規句集にみる無動詞俳句

はじめに 俳句は写生。それが俳句をつまらなくした、イコール、正岡子規さんが俳句をつまらなくした、という風潮があると読みましたが、それは別にどうでもよくて… 俳句は写生。理想としては眼前の「モノ」を示すだけで、成立させたいという思いがあり。 と…

言語にとって抽象とは何か

はじめに 『増補現代俳句大系』 角川書店 の15巻から遡って俳句を拾い始めた。拾う基準は1.「我」という言葉がないこと 2.感情を表す言葉がないこと 3.「俳句のためにしたこと」を詠んでいないこと 4.なるべく平易な言葉で書かれていること であり…

なんとなく比喩語る

はじめに 『なんとなくクリスタル』を読み返し始めて、まあ、面白いこと。まだ本文始まって4ページくらいですが。ブランド名、商品名、曲名、地名など、あらゆる固有名が象徴する「時代」感覚。 当時は、単に「おちゃらけ、表層的、イメージ、ぶちまけられ…

エコラリアス 言語の忘却について ―読書メモ

はじめに 「エコラリアス」という魅惑的な響きを持つこの書籍を読もうとしたきっかけは、本の裏表紙に書かれていた言葉であった 「子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。…

浅田彰さんというスマートな整流器

はじめに:読み直さないスタイル 怠惰との謗りを受けようとも断固として読み直さないこと。浅田さんの言説は文化の全方位に渡って入り込み、全てを柘榴石と化している。 浅田さんのスタイル 著作を残さないことは、立つ鳥後を濁さずの精神。常に移動する速度…

1995年3月 FULL METAL Synapse より

言葉にする迄が半分。それを排泄するまでがあと半分 自由は他人の鼻が始まるところで終わる(角川ポケットジョーク集) 家を捨てよ、親を捨てよ、夫を捨てよ、自尊心を捨てよ、禁忌を捨てよ 忘れることは無意識の回避であり、余剰は欠落の自覚である 闇の中…

『心の社会』は工場の分業ラインとは違う気がするので

出会い この記事を見て、「絶対に読まねば」と勢いこんで図書館検索予約入れた。 wired.jp その本は、 彼は言う。 心は心を持たない小さなエージェントの集合体。 心とは脳の働きである。 それそれ、それ知りたかったこと! 著者? AIの偉い人(?)。人工知…

前後不覚の善後策

✨私、気になります!✨(by 千反田える さん) 笑いの無い 厚切りジェイソン さんみたいで、嫌だなとも思ったんですが、 ずっと気になっているもので。 前 と 後 って、 妙に、ずれてませんか ―この先、30キロ、直進です ―この後、30キロ、直進です この…

覚書 日付シールを変えたり

eMに意外な展開ありぃ(1)。社長テレビに出ちゃったりして、新たな反響がこだましていたしね(2)。我らはstanderd edition使いへ。東芝のSDカード32GBへの換装(3)で、ページめくりが早くなるなら、保証外れてもやってみる価値あるのかも。なぁんて、話はおいと…

覚書 日付シールで勉強したこと 3/3

第四段落 StickerPuppet.create(”シール”,{ これ、見たことある。MOONBlockとかいじって、codeとかみると出てくる部分のやつ。シールをタップしたとき stickertap: 貼ったとき stickerattach: はがしたとき stickerdetach: の挙動をかく場所だ。みると、貼っ…

覚書 日付シールで勉強したこと 2/3

javascriptでpushって何するの?(と検索) A.配列に要素を入れていくんだよ。この場合、筆跡(strokes)のデータだろうな。冒頭の数字の羅列のことかな。だけど、なんか唐突だなぁ。まだ日付だってでてきてないし。 src_stroke = figure_strokes[ fig ][ i ]…

覚書 日付シールで勉強したこと 1/3

はじめに この文書は、くるのはるみ様 作成の「画面に日付を入れるシール」を私用に改変した際の覚書です。 くるのはるみ様には、改変と覚書の公開をお許しいただいたことを感謝いたします。 序章「それでも少々長くなりますからそのおつもりで」 普段のメモ…