望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

心身二元論

価値観は本当に多様化したといえるのか ―ダイバーシティへの違和感

はじめに 「ダイバーシティ」という言葉が馴染まない。むしろ価値観は細分化されて互いに相容れないまま硬直化しているのではないか、と感じる。 価値観の多様化について、ここでは、人種や宗教に関して保留して「性の多様性」と「自己実現の多様性」を考え…

観念論的唯物論 ―イデアと名前

はじめに 理解とは現象を名づけること、ということになっている。 「あの空の七色のアーチは何かしら」「あれは虹さ」ここで、「虹」という名を知ったことで、それまでその名前を知らなかった人の知見の変化量は「虹」という名前が増えただけのことだ。 だが…

波頭の橋頭保としての『認知症世界の歩き方』

これは座右に置くべき、こわい本だ。 wrl.co.jp 唯脳論だとか、唯心論だとか、VRだとか、すべてこの世は虚構だとか、そういう言説は理解できるところもあって、結局は「脳」だよ。という感覚は理解できていたつもりだったのだが、それが現実の、ひじょうに身…

川本真琴|川本真琴 ―身体感覚の絶対性と弟への恋情

はじめに 初めて『1/2』のPVをワイドショーで見て www.youtube.com すぐに買いに走った。 川本真琴 1997・6・25 デビューアルバム「川本真琴」 www.sonymusic.co.jp 天才だ。と思った。 そしてこの人は早世なさってしまうのではないかと危ぶんだ。今…

キス・キス・キス ―エロスとは変化の自覚の認識である文学

はじめに 今回のブログは、アダルトビデオ作品への言及を含みます。タイトルや、該当作品へのリンク、及び露骨な性的描写などは行いませんが、そういった内容を快く思わない方は閲覧をご遠慮ください。

エクリチュール補完計画 ―身体を超えて身体イメージにしがみつく性

はじめに タイトルに深い中身などない。これはイメージだ。 マスクせる顔面を恋愛対象とするとき、互いに感染リスクを負いながらマスクをはずして濃厚接触者たらんとする覚悟をもてるか否かの判断を迫られる時代にシフトした。 無マスクで唾液を撒き散らす行…

「どもる体」 ―吃音と抑圧

はじめに twitterで見かけて「読もう」と決めていた本を読み終えた。 医学書院/書籍・電子メディア/どもる体 私がこの本を「いいな」と思ったのは「吃音」を「言葉の問題」ではなく、一貫して「体の問題」として扱っていたところだ。 作者は「こころと体と…