望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

動態論

仏教にとって移動とは何か ―無常といふこと

はじめに 「一所不在の業があるから大変だよ」と『ブッダの方舟』で中沢新一さんが話していた。私はこのような業を「無常」を感ずるための業なのではないかと考えている。 蝶のように舞い 一つのところにとどまらず、絶えず移動し続けることは、ボクシングの…

言葉と意味と音と無意味

はじめに 分節により「意味」が生じた。ただし、まだそれが「意味するモノ」は生じていなかったし、「意味を表すモノ(音や記号)」なども生じていない状態だった。「そのような『意味』を認識するモノ」も生じておらず、分節された意味の間に序列も生じてい…

時間を止めることと、時間のない世界で移動すること

はじめに 先日、こんなことを書いた。 「真如」もしくは「空」が分節することでこの世は始まりました。 「始まった」というのは文字通り、時を刻み始めた、と言い換えることもできるのですが、この「時を刻む」という観念こそが「分節」されたこの世を起点と…

「反ー存在」態としての人間 ―『意味の深みへ』を一読して

はじめに 井筒俊彦さんの『意味の深みへ』を一読し、現在は『コスモスとアンチコスモス』にとりかかっている。 この先、何度も読まなければならなくなる著作であり、読むたびに変化を余儀なくされる著作であることから、ここに一読した印象を記しておくこと…

着衣せる霊体に関する考察1

はじめに 心霊写真、心霊ビデオ。そこに写っている、または映っている、霊体はそのほとんどが着衣姿である。ほとんど、というか、ヌードの心霊写真というものを見た記憶がない。 心霊はなぜ着衣しているのか? 衣服までもが霊体と化すのは何故か? 先日、こ…

岩波文庫より井筒俊彦さんの著作が立て続けに刊行された狂喜

はじめに 偶然立ち寄った本屋の岩波文庫のコーナーで見つけたのは、図書館の検索で「該当なし」だった、井筒俊彦さんの『神秘哲学 ギリシアの部』だった。そしてその隣には、『意味の深みへ 東洋哲学の水位』と『コスモスとアンチコスモス 東洋哲学のために…

『渦説』―存在様態としての心霊

はじめに #一行怪談創作部 というtwitterでの創作怪談コンテストへについて、『一行怪談』の作者は「怪談」をこのように定義している。 ただ、応募作品の中には「怪談」となっていないものも含まれていました。「怪談」の恐怖とはなにかと言えば(これも私の…

裏のない世界 ―龍の断面

はじめに ずっと、「裏」のことを考えていた。 「裏」は「裏ー表」の「裏」である限り、結局は表層に露呈しており、「表」と何らかわりがないのではないか。この世界のアクセス可能な面はすべて表であり、表裏とは相対的、まさに「陰日向」の違いのみである…

『中動態の世界』 から得たこと ―自由意思という束縛

はじめに とてもおもしろかった。スピノザさんを読むのに役立った。『探求Ⅱ』(柄谷行人さん)を読み返したくなった。 以下にこの読書で得られたテーマを羅列する。将来の(ブログの)肥やしのために。 ※今回のブログは、引用符外にも、この本から借りてきた…