望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

世界認識

バックスキッパーズ宣言 ―2018年の逃走論

はじめに 世界は「不思議」だが「謎」ではない。 だが人間は「問」として存在する。「問」は「不思議」を「謎」として探求したいという「業」の「渦」である。 南方曼荼羅 「人間」は「謎」に「答え」を求める。そして闇雲に突っ込んでいく。前のめりに、没…

『渦説』―存在様態としての心霊

はじめに #一行怪談創作部 というtwitterでの創作怪談コンテストへについて、『一行怪談』の作者は「怪談」をこのように定義している。 ただ、応募作品の中には「怪談」となっていないものも含まれていました。「怪談」の恐怖とはなにかと言えば(これも私の…

人間の業の肯定 ―『立川談志遺言大全集』1の1

はじめに これ、刊行時、予約で購入しておりまして、おくづけによれば、第一巻は、2002年1月30日初版発行となっております。 買ったなり、拾い読みすれども、じっくりと熟読しないまま12年半の年月が流れ、あらためてこの夏、精読してみようではないかと思い…

精霊の王 第七章以降メモとまとめ(『六輪一露之記』を中心に)

はじめに 『国家の原理が作動していない社会に生きるとき、人間にはどんな思考、身体感覚、どのような姿をした超越または内在の感覚がふさわしいのか?』 中沢さんは、「シャグジ=宿神」に、国家の原理によって汚染されていない思考の痕跡を見出そうとして…

精霊の王 第六章までの雑感 (天台本覚とアニミズム)

『精霊の王』中沢新一 講談社 2003.11.20初版 2003.12.19ニ刷 「生命」の問題 禅と密教 仏教は物質を否定する。 解脱とは物質を生み出す運動からの離脱だ。仏教にとって物質とは存在そのものであり、そのように存在を結んでしまった物質を解きほぐし、大いな…

疎外のレベル

はじめに 疎外を帰属によって解消しようとしてはならない。 ① 帰属こそが疎外を産む ② 疎外こそが自由を産む ③ 疎外こそが存在を産む ④ 帰属こそが奴隷を産む からである。 ①帰属こそが疎外を産む 帰属とは集団に従うことである。それは常に個人にって不利な…

狩と採集 ―『万引き家族』

はじめに gaga.ne.jp 生計を立てるため、家族ぐるみで軽犯罪を重ねていくうちに、一層強く結ばれる一家。(公式ページの INTRODUCTION より) 万引きは軽犯罪ではありません。 keiji-pro.com 前提 万引きを「される」立場に「も」立つ身としては、「万引き賛…

「芸人」濱田祐太郎さんの「ネタ」こと

はじめに 濱田さんの立場 もし、彼が目の不自由な方を代表して、介助をする場合の注意点を、「お笑いの形式を借りて」世に広く知らせようという、「啓発」を目的として活動しているのだとしたら、以下のブログは全く無意味だ。 ただ、「がんばってください」…

佐藤優樹さんの十一文字 ―『子規の近代』による佐藤優樹さんの「詩」と「美」について

はじめに だがまれにその(共有される言語の空間)全体を攪拌する力を持った個が出現して、言葉のエントロピーを増大させる。その時生まれる混沌に秩序を与えるのは、その言葉の受け手であり、また共有される言語空間の力学である (『子規の近代』秋尾敏 p.…

異邦人から俳人へ カミュ『異邦人』を読んで 

はじめに 新潮文庫の『異邦人』を読み返した。乾いた文を読みたかった。村上龍は生々しすぎる部分があるし、村上春樹は全般的に他人事すぎる。だから、異邦人。 だが、それは第一部の記憶だった。裁判と収監の第二部に至って、文体は、私の求めるそれとはか…

新・未来派宣言のシンボルゥ

はじめに 『日本人は思考したか』を読み返し、「空間」と「時間」について書かれている部分がおもしろかった。 日本人の思考は、「あはひ(間)」にあって「調停」と「鎮魂」を本位とした「歌論」にその萌芽を求める。との指摘から、勅撰和歌集による「日本…

透明な猫などいない ―綴方と写生文

はじめに 『感覚の近代』坪井秀人 2006.2.28初版第一刷 名古屋大学出版会 を読んだ。 そこで初めて「赤い鳥」誌上におきた豊田正子さんの「うさぎモデル」事件を知った。私にとって、この事件は「表現者の主体」について大いに考えさせられるものであった。 …

たましいのルフラン -すべらない話32弾のこと

はじめに 人志松本のすべらない話32弾。ほぼ一年ぶりの放送。 www.fujitv.co.jp 昨日録画しておいたのを見ました。そして、ある傾向が気になりました。それは、みなさんの エピソードが長すぎる ということです。そして、その原因となったのはおそらく、せい…

私説 夢と公案 -石原八束さんの(反)写生

はじめに 「私説 現代俳人像 上 倉橋羊村 東京四季出版 平成十年一月一日」を読んでいて、石原八束さんの「反写生の姿勢」について考えた。 慙愧の念 今回のブログでは、この「反写生論」への反駁を試み、「心の内」などという近代的自我を盲目的に信奉する…

泥濘の公理系 ―言語・VR・貨幣

はじめに 「記号は意味を持たない」ここは絶対に譲れない。 意味をもつ記号は言語と呼ばれるべきである。従って、記号が「指示記号」であるなら、それは言語の別名であって「記号」ではない。 「記号」は何をもって「記号」たりうるのか?それは、単なる落書…

ならぬ堪忍するが堪忍 ―日本国憲法第九条

はじめに 以下は、法律文化社 『ベーシックテキスト憲法 第三版』の第一章のメモに、若干の感想をくわえたものである。それ以上でもそれ以下でもない。 福祉国家 行政サービスの拡充(行政国家化)⇒計画行政 ↓ 官僚の役割の増大⇒官僚の増加 ↓ 予算増大⇒慢性…

虚子のメハニカ ―写生・存門・挨拶

はじめに 正岡子規さんから高浜虚子さんという大道。写生という原理主義から、より過激な花鳥諷詠という保守革新(ここには「美学」の問題がありますが、今回、美学については保留いたしました)。いずれも、主観から客観へ至るメソッドであった。 ここでの…

戦前の思考 -国家と国家間のこと(+銃のこと)

はじめに bookclub.kodansha.co.jp いま再び、資本主義経済 VS 社会主義経済 そこに歪められた イスラム社会が絡む三つ巴の構図があからさまになり、むしろ、朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国がその緩衝点として浮上しています。 mochizuki.hatenablog.jp ザ…

何をくれるの? ―千日回峰行達成のニュース

はじめに ニュースでやっていて、こういう映像が流れていて…… www.youtube.com で、こういうものがあると聞いて…… www.hieizan.or.jp 何だこれ? と思った。 千日回峰行 千日回峰行は、平安時代、延暦寺の相應和尚(831年~918年、一説に~908年)により開創…

高校生らしさとは -青春舞台2017

はじめに 実に久しぶりに「青春舞台」のテレビ放送を見た。やはりよかった。 野球と高校野球とが違うように、商業演劇と高校演劇とは違う。 そして、いかなる「高校○○」よりも、より「今、ここで、高校生であるということ」と向きあわねばならない高校演劇の…

負債論を読む (完) 奴隷と売春者

はじめに この記事は下記『負債論』を読んだ続きだ。だが、ブログそのものは続きではない。そして『負債論』についてのまとめでもない。 mochizuki.hatenablog.jp まとめ 筆者は『負債論』を資本主義社会の害悪を浮き彫りにし、現体制を転覆させる地ならしと…

横断する想像力 ―短絡と迂回における滝沢カレンさん(という誤読)

はじめに 滝沢カレンさんの言語駆使能力に嫉妬する。 滝沢カレンさんの「日本語の独特な用法」に着目したブログは枚挙に暇がない。私がそこに屋上屋を架けるようなまねをする必要はないのだが、このブログ上に、滝沢カレンさんの名前を刻んでおきたいという…

カミーユ、コブラと浦飯、加藤との違い

はじめに いつも「ニュータイプ」のことを考えている。 今日は、アムロ・レイとカミーユ・ビダン両者のニュータイプ表現の違いが気にかかった。そこから、意識、認識、心、念、霊力、超能力、呪術、などが意識を流れていって、「媒介」という論点に至った。…

裏のない世界 ―龍の断面

はじめに ずっと、「裏」のことを考えていた。 「裏」は「裏ー表」の「裏」である限り、結局は表層に露呈しており、「表」と何らかわりがないのではないか。この世界のアクセス可能な面はすべて表であり、表裏とは相対的、まさに「陰日向」の違いのみである…

知識を破らずんば知識を得ず ―蒟蒻問答の敗者

はじめに 蒟蒻問答について ひじょうに印象深い落語。様々なところで採り上げられています。 こちらのブログではとても丁寧に分りやすく紹介なさっていますので、よく知らない方はまずはこちらをご参照ください。 senjiyose.cocolog-nifty.com 大根問答につ…

主体なき意思決定の現場

ある日の夕方 会社の休憩室に休憩時間になった方や退勤時間を迎えた方が集まってきたらしい。上司やそこにいない同僚への愚痴、夕方の特売品、今夜の献立についてなどを口々に話しながら大きな荷物をテーブルに載せる音とともに「あら大丈夫?」という声があ…

ぼんやりとした不安の原因「試論」 -能動的自我の齟齬

はじめからエクスキューズ 中動態の本、まだ半ばです。読み進めたらこのブログ内容もupdateしなければならなくなる予感はありますが、芥川さんや、啄木さんや漱石さんやなんかが取り付かれていた「ぼんやりとした不安」の原因について「試論」として書いてみ…

因果応報 #法と情01

因果 原因とは、ある結果に至るまでに関係した膨大な事実を、偏向的に編集した結果である。 因果の効能 結果には原因があるという見方が広く受け入れられている理由は、 理論的整合性は、存在をカオスの恐怖から救い出してくれると感じられるから。 未来の不…

フィロソィア・ヤポニカ 1 p.81

はじめに しばらく前からこの本を読んでいます。中沢新一さんの著作としてはかなり硬質な文体で、読み進めるのに苦労しています。 しかし、とにかく、読んでいて興奮を禁じ得ない本なので、読書メモとして気が付いたことを書き留めて、読書の指針としようと…

The layered suit ―禅と密教

The full-metal jacket 五感と仮説 五感のいくつか、または全てを総合した現象を「体験」とよび、その体験を統合したときに現われるものが「世界」である。 「世界」は自明ではなく、仮説の検証によって見出された事実である。 文化と教育 様々な仮説が採用…