望月の蠱惑

enchantMOONに魅了されたので、先人の功績を辿って、自分も月へ到達したい。

レビュー

岩波文庫より井筒俊彦さんの著作が立て続けに刊行された狂喜

はじめに 偶然立ち寄った本屋の岩波文庫のコーナーで見つけたのは、図書館の検索で「該当なし」だった、井筒俊彦さんの『神秘哲学 ギリシアの部』だった。そしてその隣には、『意味の深みへ 東洋哲学の水位』と『コスモスとアンチコスモス 東洋哲学のために…

だって~ わたしたち~ アンジュル部ですからぁ~~

はじめに アンジュルム DVD MAGAZINE vol.21 「飛び出せ! アンジュル部!」は、見れば見るほど面白いなと、思います。「学園コント」と銘打ってはおりますが、楽屋やコンサートのMCなどの雰囲気そのまんまという感じがしました。 youtu.be さきごろ、新体…

『意識はいつ生まれるのか』―「いつでしょ!」

はじめに 『意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論』は、2015年5月25日に第一刷で、同年7月10日に第三刷までいっている、人気のある本だったらしい。 「いつ生まれるの?」「今でしょ!!」(え~~~~ 今さら……) ……結論からいって、「いつ」…

『生存する意識』読書メモ -臨床的な意識とは

はじめに 『生存する意識 植物状態の患者と対話する』エイドリアン・オーウェン(柴田裕之訳) 2019.9.18第一刷 みすず書房 を読んだ。 この副題を読んで即座に思い出されるのは、世にも奇妙な物語で、竹内結子さんが主演した『箱』である。 www.youtube.com…

ケンカをやめて 俳人蕪村 vs 郷愁の詩人与謝蕪村

はじめに 1927年6月ー7月に伊豆湯ヶ島に逗留していた文士を調べていて、萩原朔太郎さんのことが気にかかり、『ちくま日本文学全集 萩原朔太郎 1886-1942 筑摩書房(1991年10月20日 第一刷)』を読んでいたら『郷愁の詩人与謝蕪村』(以下『郷愁の』)…

R1見て、仕事人スペシャル見て、カメラを止めるなを見た

はじめに このブログには、ネタバレがあります! ご注意ください。 休日に、録り溜めた番組を見るのが楽しみです。先日は、いつものCSドラマの他に、SP系のが三本ありました。あ、『梁川さんの卒業公演』は、次の休みに見ます。 R1の復興 CMスキップ…

『はじめての言語獲得 普遍文法に基づくアプローチ』を読み飛ばした理由

はじめに 人が言語をどのように習得していくのか。誰もが通ってきた道でありながら忘れてしまった「母語の覚え方」 バイリンガルの方や第二外国語習得者、もしくは多言語ユーザーなどの皆様におかれましては、それぞれの常識、非常識があることと思いますけ…

小椋冬美さんの静謐 ―モノローグの狭間で

はじめに 小椋冬美さんという少女漫画家を、私は「りぼん」誌上で知った。登場する男子に感情移入をして、髪型を真似たりもしていた。 主人公となるのは、みな、自分の本心を人に伝えるのが苦手な若い男女で、そんな自分のことが嫌いだったり、「性格だから…

余談 ―アンチ物語の物語 『豊饒の海」創作ノート

はじめに どうも。卒業発表後、自信に溢れる飯窪さんが、少し苦手な私です。ソロで活動していく上では、絶対に必要なものですから、そのように「自分」を前面に発信していく姿勢は全く正しいのですが、それが私には、眩しすぎるのだと思います。さぁて、それ…

マゾヒストはイメージに隷属しない ―『なんとなくクリスタル』という唯物論

はじめに で、『なんとなくクリスタル』だ。40年も昔の本を今読むなんて、とってもレトロスペクティブとか思うかもだけど、我々バックスキッパーズとしては温故知新だなんてつもりは毛頭ないわけ。 当時は、「カタログ」だとか「TOKYO Walker」だとか「Hot…

エコラリアス 言語の忘却について ―読書メモ

はじめに 「エコラリアス」という魅惑的な響きを持つこの書籍を読もうとしたきっかけは、本の裏表紙に書かれていた言葉であった 「子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。…

『フェアトレードビジネスモデルの新たな展開 SDGs時代に向けて』を読んで

はじめに 前回のブログに記した「私的問題項目」を留意しつつ、一読しました。フェアトレードとエシカルトレードとを関連付けた論考はとてもわかりやすく、たどってきた道筋と今後の展望についても明確に記されていました。 SDGs その中に、国連が掲げる2016…

「どもる体」 ―吃音と抑圧

はじめに twitterで見かけて「読もう」と決めていた本を読み終えた。 医学書院/書籍・電子メディア/どもる体 私がこの本を「いいな」と思ったのは「吃音」を「言葉の問題」ではなく、一貫して「体の問題」として扱っていたところだ。 作者は「こころと体と…

『〈こころ〉はどこから来て、どこへ行くのか』 中沢新一さんの講演メモ

www.iwanami.co.jp はじめに 京都大学の「第一回京都こころ会議(2018.9.13)」の五つの公演をまとめたもの。中沢新一さんが基調講演を行っていたため、読んだ。 印象として、中沢さんは、「脳」と「こころ」とに結びつけられる様々な分野の内容を、普段より…

『人はなぜ日記を書くか』の私的かつ暫定的回答、そして有効な活用法

はじめに 日記という事件 本書にこのタイトルの答えを求めてはならない。なぜなら本書では「日記」ありきの論考しか行われないからだ。そのような姿勢で「日記」を扱うのなら、「日記」を解体するところまでいかねばおもしろくないのだが、本書において「日…

異邦人から俳人へ カミュ『異邦人』を読んで 

はじめに 新潮文庫の『異邦人』を読み返した。乾いた文を読みたかった。村上龍は生々しすぎる部分があるし、村上春樹は全般的に他人事すぎる。だから、異邦人。 だが、それは第一部の記憶だった。裁判と収監の第二部に至って、文体は、私の求めるそれとはか…

新・未来派宣言のシンボルゥ

はじめに 『日本人は思考したか』を読み返し、「空間」と「時間」について書かれている部分がおもしろかった。 日本人の思考は、「あはひ(間)」にあって「調停」と「鎮魂」を本位とした「歌論」にその萌芽を求める。との指摘から、勅撰和歌集による「日本…

『勘の研究』ノート

はじめに 読書メモを、後日参照できるように記録しておく。(文中の《》内は私見。その他は基本的に同書からの要約および抜粋である) ・『勘の研究』講談社学術文庫版 昭和59年9月10日 [原版は 昭和8年刊行] 作者 黒田亮さん。 ・《『意識と本質』(井筒俊…

二つの空 ―『モーニング娘。誕生20週年記念コンサートツアー2017秋~We are MORNING MUSUME。~工藤遥卒業スペシャル』

はじめに ブログを書くにあたり画像などを準備しておりましたが、書き始めたら内容が全然違う方向へ進んでしまった(いつものことな)ので、本文に使えなった画像は最後にまとめてはりつけます。 リアルタイムで見られたこと 今回、BSスカパーliveで見ること…

アナーキズムなんていらない

はじめに 9月の中ごろに書き始め、下書きに放り込んであったブログがある。 『負債論』を読み終え、作者と訳者の著作に興味をおぼえ一通り読んでみようかと思っていた頃だ。 『負債論』についての最初のブログ mochizuki.hatenablog.jp 上記ブログの最後には…

ジオングの脚 ―『この人を見よ』

後藤明生さん 幻戯書房 2012年初版 はじめに 先日図書館で借り出して、昨日読み終えた。後藤明生さんの未完の小説である。未完であるがゆえに、いつ読み終えてもよく、いつ読み終えてもよい、ということはどこから読んでもよいという、誠に、気楽にページを…

LA LA LAND への失望 ―『草枕』になれず悪い意味で『それから』だった件…

はじめに 以下の感想は、私の勝手な思い込みで妄想していた『ラ・ラ・ランド」が、実際の映画と大きく食い違っていたことによる、100%個人的な不満ぶっつけブログです。 あまりにも違っていたものですから、後追いで、この映画の正当なレビューを検索し、…

右京というギフト ―相棒15 第16話について

はじめに このブログは、ネタバレあります閲覧注意! 相棒14第12話の犯人の一人 北が再登場しました。 mochizuki.hatenablog.jp 当時は、余命二ヶ月とされていたはずですが、治療が功を奏しているようです。(現在裁判中とのこと) 前回、「自らの死」を意識…

4DX ― すべらない話 千原ジュニアさんの話 と たくさんの余談

4DXって何だ? 4dxで検索をかけて一番上にきたページ。 新次元の4Dアトラクションシアター ユナイテッド・シネマ|シネプレックス どんな演出があって、追加料金がいくらで、どんな注意があるのかが、分かりやすくまとめてあった。 遊園地でみた うん…

右京の変節? 相棒15第3話 「人生のお会計」のこと

www.tv-asahi.co.jp ネタバレありです。ご注意ください。 まずは、14-12「陣川という名の犬」との相違 mochizuki.hatenablog.jp 犯人設定 14-12 まごうことなき犯罪者。(共犯の方は別として)15- 3 まじめな常識人。 偶然性 4-12 余命宣告を受…

二人のトマノ ~演劇女子部「続・11人いる!東の地平・西の永遠」 モーニング娘。'16 を見て

東の本気、西の狂気 三回泣いた 京都でのWEST公演初日、佐藤優樹さんが凄い! との膨大なツィート。また、監督から佐藤さんへの熱い熱いメッセージ。DVDが届いたら、また佐藤さんのことで、ブログを更新できるな、と心待ちにしていました。 www.youtube.c…

ゴジラ ―私の好きなお化け (非レビュー)

『シン・ゴジラ』のレビューを見た amberfeb.hatenablog.com monkey1119.hatenablog.com 素晴らしいレビューです。どんなテイストのお話なのかがよく分かりました。なので、私はこの記事にとりかかることができました。感謝します。 え? 私は、テレビの宣伝…

永野さん 正解は? ―「象よりもシャム猫」からの考察

さんま御殿でのアドリブ 2018年7月12日放送の『さんま御殿』において以下のような流れがあった。 出演者の紹介の中で、女性タレントの祖父が「ぞうさん」を作曲した團伊玖磨というすごい人だという話になる。その息子(タレントの父親)も著名な建築…

The MARTIAN は『オデッセイ』ではなかった件 ―臆病で姑息なSFたち

映画館でみた予告編でとても楽しみにしていた 絶体絶命。火星に取り残された孤独な植物学者の、ジョーク心を忘れない極限サバイバル! www.youtube.com 明るい「南極物語」だし、敵が存在しない「ダイ・ハード」だし、限られた資材と柔らか頭で技術的問題点…

「黙読」問題から、「思考」と「共感覚」そして「瞑想」まで

しゃべりまくりですけど何か? 掲載されるやいなや、一大センセーションを巻き起こしたgigazine様の記事がありました。 2016年02月25日 21時00分00秒 gigazine.net 黙読するときに、声が聞こえない? それでどうやって読んでいるの? と思い、こんな感じで検…